介護職の1日のスケジュール|特養・老健・有料・訪問を徹底比較
「介護職の1日」と一言で言っても、特養の早番と訪問介護のヘルパー、グループホームの夜勤、デイサービスの日勤では、流れも密度も使う筋肉もまったく違います。施設形態と勤務帯の組み合わせで、介護職員の働き方は大きく変わります。
この記事では、介護職員の1日のスケジュールを、7つの主要な施設形態で時系列比較します。早番/日勤/遅番/夜勤それぞれの業務密度と特徴を整理し、自分に合う働き方を見つけるヒントにしてください。
特別養護老人ホーム(従来型)の1日
要介護3以上の重度利用者中心、看取り介護加算取得施設多数。職員配置3:1で身体介助の密度が最も高い形態です。
早番(7:00〜16:00)
- 7:00 出勤・申し送り・記録確認
- 7:15 起床介助・更衣・トイレ誘導(担当10名)
- 8:00 朝食介助・服薬・口腔ケア
- 9:30 申し送り・記録
- 10:00 入浴介助(火・木・土)・体操・水分補給
- 12:00 昼食介助・服薬・口腔ケア
- 13:00 入浴介助(午後組)・休憩(交代制)
- 15:00 おやつ・水分補給
- 16:00 退勤(申し送り後)
日勤(9:00〜18:00)
- 9:00 出勤・申し送り
- 10:00 入浴介助・体操
- 12:00 昼食介助
- 13:00 入浴介助・休憩
- 15:00 おやつ
- 16:30 排泄介助
- 17:30 夕食介助
- 18:00 退勤
遅番(11:00〜20:00)
- 11:00 出勤・申し送り
- 12:00 昼食介助
- 13:00 食器洗い・記録
- 15:00 おやつ
- 16:30 排泄介助
- 17:30 夕食介助・服薬
- 19:00 就寝介助・歯磨き介助
- 20:00 夜勤への申し送り後退勤
夜勤(2交代制 16:30〜翌9:30)
- 16:30 出勤・申し送り
- 17:30 夕食介助
- 19:00 就寝介助
- 20:00 巡回開始(2時間ごと)
- 22:00 おむつ交換ラウンド
- 0:00 体位変換・記録
- 2:00 巡回・おむつ交換
- 5:00 起床介助開始(早起き利用者から)
- 7:00 起床介助本格化
- 8:00 朝食介助・服薬
- 9:30 申し送り後退勤
職員2名で30〜40名を見守る高密度の業務です。夜勤手当6千〜1.2万円が1回ごとに支給されます。
介護老人保健施設(老健)の1日
在宅復帰支援が目的の中間施設。3〜6か月の入所が想定され、リハビリ職連携が密です。
日勤(8:30〜17:30)
- 8:30 出勤・申し送り
- 9:00 リハビリ室への送迎・離床
- 10:00 PT/OT/STとの情報共有
- 11:00 昼食準備の介助
- 12:00 昼食介助
- 13:30 機能訓練・歩行訓練付き添い
- 14:30 入浴介助(該当日)
- 16:00 おやつ・記録
- 17:00 夕食準備
- 17:30 退勤
老健は看護職員が日中常駐、医師も常勤のため、医療的処置・服薬管理の連携が日常的に発生します。多職種カンファレンスが週1〜2回、退所前の家族指導なども介護職員が同席します。
夜勤(2交代制 17:00〜翌9:00)
- 17:00 出勤・申し送り
- 18:00 夕食介助
- 19:30 就寝介助
- 21:00 消灯・巡回開始
- 23:00 おむつ交換
- 2:00 体位変換・記録
- 5:00 起床準備
- 7:00 朝食介助
- 9:00 退勤
老健は要介護度がやや低めで、夜間の身体介助密度は特養より穏やかな傾向です。
介護付き有料老人ホームの1日
特定施設入居者生活介護の指定。職員配置3:1で特養に近い体制ですが、利用者層は中重度〜軽度まで幅広く、サービス内容も施設のグレードで差があります。
早番(6:30〜15:30)
- 6:30 出勤・申し送り
- 7:00 起床介助・更衣
- 8:00 朝食(食堂への誘導・配膳・介助)
- 9:30 服薬・記録
- 10:00 入浴介助・レクリエーション
- 12:00 昼食
- 13:00 おやつ準備
- 14:00 機能訓練・外出支援
- 15:30 退勤
日勤(9:00〜18:00)
- 9:00 出勤
- 10:00 リネン交換・居室清掃
- 12:00 昼食介助
- 13:00 入浴介助・カラオケ等のレク
- 15:00 おやつ
- 16:30 居室での個別ケア
- 17:30 夕食介助
- 18:00 退勤
有料老人ホームは利用者の自費負担(月15〜30万円)が高く、サービスの質への期待値が高いのが特徴です。レクリエーション・行事・外出支援などの「楽しみ」を提供する業務が比較的多めです。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の1日
認知症利用者9名×ユニットの家庭的環境。家事を共に行うことが認知症ケアの中核で、職員配置3:1+夜勤1名です。
日勤(7:00〜16:00 or 9:00〜18:00)
- 7:00 起床支援・更衣(早番の場合)
- 7:30 朝食準備を利用者と共に行う(野菜を切る、配膳)
- 8:30 朝食・服薬
- 10:00 散歩・買い物同行
- 11:30 昼食調理を利用者と共に
- 12:30 昼食
- 14:00 おやつ作り・レクリエーション
- 16:00 入浴
- 17:30 夕食準備・夕食
- 19:00 就寝準備
- 21:00 消灯
家事を「お手伝い」ではなく「一緒に行う」のがグループホームの特徴です。野菜を切る・洗濯物をたたむ・掃除をする——日常生活動作そのものが認知症の方への「家事リハ」として機能します。
夜勤(16:00〜翌10:00、または専従形態)
- 16:00 出勤・申し送り
- 17:00 夕食準備の見守り
- 18:00 夕食
- 20:00 就寝介助
- 21:00 消灯・夜勤開始
- 0:00〜5:00 巡回・体位変換・トイレ誘導
- 6:30 起床介助・朝食準備
- 9:00 朝食
- 10:00 申し送り後退勤
夜勤帯は1人で9名を見守る形態で、夜間徘徊・転倒リスク・コール対応の独立性が問われます。グループホーム夜勤は「夜勤専従の働き方」としても人気の形態です。
デイサービス(通所介護)の1日
日帰りの通所サービス。日勤のみで土日休みが取れる施設も多く、子育て世帯に人気の形態です。
日勤(8:00〜17:30)
- 8:00 出勤・送迎準備・送迎車での迎え
- 9:30 利用者到着・バイタル測定・健康観察
- 10:00 入浴介助・機能訓練
- 11:30 昼食準備・配膳
- 12:00 昼食介助・服薬
- 13:00 休憩・記録
- 13:30 機能訓練・レクリエーション
- 15:00 おやつ
- 15:30 帰りの準備・送迎
- 17:00 清掃・記録
- 17:30 退勤
デイサービスの利用者は要介護度が比較的低く、自立度が高い方も多いため、身体介助の密度は特養より穏やかです。レクリエーション・機能訓練・送迎業務が中心になります。
訪問介護(ホームヘルパー)の1日
利用者宅を訪問して身体介護・生活援助を提供する形態。1人で完結する責任の重さと、自由度の高さが特徴です。
常勤ヘルパー(8:30〜17:30)
- 8:30 事業所出勤・朝礼・本日の訪問予定確認
- 9:00-10:00 利用者A宅で身体介護(着替え・トイレ誘導・朝食介助)
- 10:30-11:30 利用者B宅で生活援助(掃除・買い物・調理)
- 12:00-13:00 移動・休憩
- 13:00-14:00 利用者C宅で入浴介助
- 14:30-15:30 利用者D宅で通院同行
- 16:00-17:00 事業所に戻り記録・移動精算
- 17:30 退勤
1日4〜6軒、1軒30分〜2時間の訪問。1人で完結するため、判断・対応の即応性が問われます。緊急時はサービス提供責任者・看護職・家族との連絡で対応します。
登録ヘルパー(時給制)
希望の時間帯のみ働ける働き方。子育て中の女性、定年後のシニア層に人気で、午前のみ・夕方のみといった部分稼働ができます。時給1,200〜2,000円が標準帯。
小規模多機能型居宅介護(小多機)の1日
通い・訪問・泊まりの3サービスを同じ職員が担当する形態。利用者にとって「同じ顔」のケアが続く安心感が特徴です。
日勤(8:30〜17:30)
- 8:30 出勤・通い利用者の迎え
- 9:30 通い利用者のバイタル測定・体操
- 10:00 入浴介助・機能訓練
- 11:30 昼食準備・配膳
- 12:00 昼食
- 13:00 通いの方とレク・必要時に訪問へ出動
- 15:00 おやつ
- 16:00 帰宅送迎・宿泊者の受け入れ
- 17:00 記録・夜勤への申し送り
- 17:30 退勤
小多機は登録定員25名以下の小規模事業所で、職員と利用者の関係が深いのが特徴です。通いから訪問・宿泊への切り替えがスムーズで、家族のレスパイト(休息)にも対応します。
施設形態別の1日のまとめ比較
| 形態 | 業務密度 | 夜勤 | 日勤のみ可 | 利用者層 |
|---|---|---|---|---|
| 特養 | 高 | あり | × | 重度(要介護4-5中心) |
| 老健 | 中〜高 | あり | × | 中等度(在宅復帰目標) |
| 有料 | 中 | あり | × | 軽〜重度 |
| GH | 中 | あり(専従可) | △ | 認知症 |
| デイ | 中 | なし | ○ | 軽〜中等度 |
| 訪問 | 個別 | なし(夜間訪問は別) | ○ | 在宅利用者 |
| 小多機 | 中 | あり | △ | 軽〜中等度 |
夜勤を避けたいなら、デイサービス・訪問介護が中心の選択肢になります。重度ケアと看取りに関わりたいなら特養。在宅復帰を支えたいなら老健。認知症ケアの専門性を高めたいならGHが向いています。
まとめ
介護職員の1日は、施設形態と勤務帯で大きく変わります。特養夜勤は身体介助の密度が高く、訪問介護は1人完結の独立性、デイサービスは日勤のみで生活リズムが安定。それぞれの形態に向く人・向かない人があるので、転職時には「業務密度・夜勤の有無・利用者層・人員配置」の4軸で施設を比較してみてください。
施設見学時に1日の流れを実際に見せてもらうのが、ミスマッチを防ぐ最大の対策です。求人票だけで判断せず、見学・体験勤務・面接で現場の空気を確認しましょう。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム