介護職の賞与事情|施設別ランキング
「介護のボーナスっていくら?」——転職時に必ず確認すべき項目の一つが賞与です。施設の運営形態によって、賞与は年2か月から5か月以上まで大きく差があります。
この記事では、介護職員の賞与を、運営形態別・施設別にランキング形式で比較します。
介護職員の賞与の現状
業界平均
- 賞与:年3〜4か月分
- 賞与額:60〜120万円(月給に応じて)
全産業平均との比較
全産業平均の賞与額(年間)約100万円。介護業界は中堅施設で同水準、社会福祉法人系で平均以上。
賞与の支給時期
- 夏賞与:6月または7月
- 冬賞与:12月
- 期末賞与:3月(一部施設)
運営形態別の賞与ランキング
1位:社会福祉法人
- 平均賞与:年4〜5か月分
- 賞与額:120〜180万円
- 退職金共済加入
2位:大手介護グループ
- 平均賞与:年3.5〜4か月分
- 賞与額:100〜150万円
- 業績連動の場合あり
3位:医療法人運営施設
- 平均賞与:年4か月分
- 賞与額:120〜150万円
- 医療職並みの福利厚生
4位:大手介護チェーン
- 平均賞与:年3〜4か月分
- 賞与額:90〜130万円
- SOMPO・ベネッセ・ニチイ等
5位:中小民間施設
- 平均賞与:年2〜3か月分
- 賞与額:60〜90万円
- 法人ごとに大きな差
社会福祉法人の賞与の高さの理由
1. 公益性の重視
社会福祉法人は公益法人で、職員待遇への投資を重視する文化。
2. 退職金共済加入
社会福祉施設職員等退職手当共済制度に加入しており、長期的な経済的安定を保証。
3. 加算取得率の高さ
処遇改善加算I取得率が高く、加算原資が賞与にも反映。
4. 賞与査定の慣習
社会福祉法人は「夏賞与2.5か月+冬賞与2.5か月+期末0.5か月=年5.5か月」など高水準が標準。
長期キャリア視点では、社会福祉法人系が最も経済的に有利です。
大手チェーンの賞与の特徴
SOMPOケア
- 賞与:年3.5〜4か月分
- 業績連動の上下あり
- 主任以上は更に高水準
ベネッセスタイルケア
- 賞与:年3〜4か月分
- 業績連動
- 福利厚生・教育充実
ニチイ学館
- 賞与:年3〜3.5か月分
- 業績連動
- 全国展開で安定
木下グループ
- 賞与:年3〜4か月分
- 業績連動
大手チェーンは賞与額の絶対値はやや控えめでも、福利厚生・教育投資・キャリアパスで補完されます。
中小民間施設の賞与のばらつき
賞与年4か月以上の優良中小施設
- 加算I取得施設
- 経営安定の社会福祉協議会系
- 院長個人運営の医療法人
賞与年2〜3か月の中小施設
- 加算未取得or加算III施設
- 経営状況不安定
- 創業数年の新興施設
賞与年1か月以下の施設
- ブラック施設の可能性
- 経営困難
- 加算未取得+人員配置違反疑い
中小施設は賞与の幅が大きいため、入職前に必ず確認します。
賞与査定の仕組み
査定期間
- 夏賞与:11〜4月の業務評価
- 冬賞与:5〜10月の業務評価
査定項目
- 業務遂行能力
- 出勤状況
- 利用者・家族対応
- チームワーク
- 改善提案・業務改善
評価ランクと支給額
- S評価:標準支給額×120〜130%
- A評価:標準支給額×110%
- B評価:標準支給額×100%(標準)
- C評価:標準支給額×90%
- D評価:標準支給額×80%以下
評価で年30〜50万円の差が出る施設も。
賞与アップの戦略
1. 加算I取得施設への転職
加算原資が賞与に反映する施設を選ぶ。
2. 社会福祉法人系への転職
長期勤続を視野に入れた賞与水準の高い法人系。
3. 役職昇進
主任・副施設長への昇進で賞与アップ。
4. 評価査定で高評価
業務改善提案・新人指導・利用者対応で高評価獲得。
5. 介護福祉士・ケアマネ取得
資格手当が賞与にも反映する施設あり。
賞与の手取り
賞与から差し引かれる項目
- 健康保険料(賞与の約5%)
- 厚生年金保険料(賞与の約9%)
- 雇用保険料(賞与の約0.6%)
- 介護保険料(40歳以上、賞与の約0.9%)
- 所得税(月給額に応じた率)
- 住民税:賞与から天引きなし(月給で12分割)
賞与の手取り例
賞与50万円の場合
- 社会保険料:約7万円
- 所得税:約1.5万円
- 手取り:約41.5万円(額面の83%)
賞与100万円の場合
- 社会保険料:約14万円
- 所得税:約4万円
- 手取り:約82万円(額面の82%)
額面の80〜85%が手取りの目安です。
賞与の使い道
介護職員の典型的な使い道
- 貯蓄(老後資金・住宅頭金):40%
- ローン返済:25%
- 家電・家具・衣類:15%
- 旅行・レジャー:10%
- 投資(iDeCo・NISA):10%
推奨される配分
- 貯蓄・投資:50%
- 生活費の予備:20%
- 自己投資(資格・研修):15%
- レジャー・趣味:15%
賞与は計画的な活用が、長期的な経済安定につながります。
賞与の確認方法
求人票での確認
- 賞与:年○か月分
- 賞与額:○○万円
- 業績連動の有無
面接での質問
- 「賞与は年何か月分ですか?」
- 「業績連動はありますか?」
- 「査定の基準は?」
- 「過去3年の賞与水準は?」
入職後の確認
労働条件通知書・就業規則で確認。
賞与のNG例
NG1:「賞与あり」のみの記載
具体的な月数・金額の記載がない求人は注意。
NG2:賞与査定の基準不明
評価基準が不明な施設は、査定で不公平になる可能性。
NG3:賞与の遅配・未払い
経営困難な施設では、賞与の遅配・未払いが発生。
NG4:業績連動が極端
業績連動で賞与が大きく上下する施設は、安定性に欠ける可能性。
賞与の体験談
32歳・社会福祉法人特養5年目
「夏賞与3か月+冬賞与3か月+期末0.5か月で年6.5か月、賞与額175万円。月給28万円ベースで年収500万円超えました。」
38歳・大手チェーン有料10年目主任
「夏賞与2か月+冬賞与2か月で年4か月、賞与額130万円。月給33万円ベースで年収530万円。」
45歳・中小民間特養15年目主任
「夏賞与1.5か月+冬賞与1.5か月で年3か月、賞与額95万円。中小施設は賞与控えめですが、地域密着で長く勤続しています。」
まとめ
介護職員の賞与は、社会福祉法人系が最も高水準で、年4〜5か月分・賞与額120〜180万円が標準です。中小民間施設は年2〜3か月と差が大きいため、転職時には賞与水準の確認が重要です。
賞与は年収の重要な要素であり、長期キャリア視点で社会福祉法人系・大手介護グループの選択を検討してください。賞与の査定基準・支給時期・業績連動も入職前に確認しましょう。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム