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介護職がきついと感じる瞬間ランキング|乗り越え方も解説

「介護はきつい」というイメージは、業界の中にいる人ほどリアルに知っています。きれいごとを並べても続かない仕事だからこそ、「何がきついのか」を正確に把握し、乗り越え方を自分の中に持っておくことが、長く介護を続けるために必要です。

この記事では、現役介護福祉士・主任・施設長の声から、介護職がきついと感じる瞬間を10シーンで紹介し、それぞれの乗り越え方を具体的に解説します。


きつさ1位:排泄介助の重圧——羞恥心への配慮と臭い

排泄介助は介護現場で最も時間と体力を使う業務の一つで、職員の精神的負荷も大きい。1日4〜6回×ユニット10名で、1日の中に40〜60件の排泄介助が発生する施設もあります。

臭い・尊厳・羞恥心の問題を毎回乗り越える精神力が求められ、新人時代に最初の壁になる業務です。

乗り越え方:介護業界では「排泄介助は最も尊厳に近い業務」という意識づけと、利用者本人への声かけ・プライバシー確保・複数名での対応が標準化されています。慣れの問題ではなく、技術と意識で対処すべき業務として捉え直すことで楽になります。


きつさ2位:看取り後の喪失感

長く関わった利用者を看取った後の喪失感は、介護職員のメンタルへの大きな負荷です。とくに看取り介護加算取得施設では、年間複数名の看取りに立ち会うため、感情の処理が追いつかない時期もあります。

乗り越え方:看取り後のデブリーフィング(振り返り会)を制度化している施設では、職員の喪失感を職場全体で受け止めます。プライベートでの趣味・運動・友人関係を意識的に持つことで、感情の出口を確保します。


きつさ3位:夜勤帯の緊急対応——転倒・誤嚥

夜勤中の転倒事故・誤嚥窒息・急変。職員2名で30名を見守る中での一次対応の重圧は、介護現場の日常です。

「あの夜、もう少し早く気づいていれば」という後悔を抱える介護職員は少なくありません。事故直後の家族対応・行政報告・施設内インシデント分析と、心身ともに消耗する場面が続きます。

乗り越え方:見守りセンサー・離床センサー・ベッドコールシステムの導入で夜間の見守り体制を強化することと、事故後のサポート体制(産業医面談、職員相談窓口)を活用することです。「自分一人の責任ではない」という組織的なメッセージが、職員を守ります。


きつさ4位:モンスター家族からの理不尽なクレーム

面会時の細かい指摘、退所要求、SNSでの誹謗中傷など、モンスター家族の対応で疲弊するケースは少なくありません。

「母の足元に小さなホコリがあった」「父の爪が伸びている」「タオルがちょっと黄ばんでいる」——細部への過剰な指摘や、現実離れした要求への対応で、介護職員のメンタルが削られていきます。

乗り越え方:対応は一人で抱えず、必ず主任・施設長に共有。記録を残し、施設として組織的に対応する体制を作ります。理不尽な要求への線引きは契約書・運営規程に明示しておき、組織の中で対応します。


きつさ5位:腰痛との戦い

移乗・入浴介助での腰痛は介護職員の職業病です。一度発症すると慢性化しやすく、離職原因の上位に入ります。

ベッドから車椅子、車椅子から浴槽、車椅子からトイレ——1日10回以上の移乗を10名分行えば、腰への負担は計算上の限界を超えます。

乗り越え方:リフト・スライディングシート・移乗ボードの導入、ボディメカニクスの徹底、二人介助の遵守、定期的なストレッチ・整体・湿布。腰痛予防に投資する施設を選ぶことが、長く続けるための鉄則です。「ノーリフティングケア」を導入する施設が増えており、職員の身体を守る経営方針かを転職時にチェックすべきポイントです。


きつさ6位:給与の低さ——加算の届かない施設

処遇改善加算未取得の小規模施設や、加算配分が経営側に偏る施設では、給与水準が業界平均を下回ることがあります。月収20万円・年収280〜320万円で、家族を養うのが厳しいというケースも実在します。

乗り越え方:加算I取得施設・特定処遇改善加算取得施設へ転職することで月3〜8万円の給与アップが現実的に可能です。求人票や事業所公開情報で加算区分を必ず確認し、加算未取得施設は避けましょう。


きつさ7位:人員不足の中での残業・記録持ち帰り

常態化したサービス残業・記録業務の持ち帰り。人員配置基準ぎりぎりで運営する施設では、勤務時間内に記録を完結できず、サービス残業が日常化していることがあります。

乗り越え方:ICT記録ツール導入施設は記録時間が大幅に短縮されます。タブレット・音声入力・インカム連携で、記録時間が30分→10分に短縮された事例も。ICT化に投資している施設を選ぶことが業務効率改善の近道です。


きつさ8位:認知症利用者の暴言・暴力(BPSD)

認知症のBPSD(行動・心理症状)による暴言・暴力。手を上げられたり、暴言を浴びせられたりすることで、メンタル消耗が起きます。

乗り越え方:パーソンセンタードケア・ユマニチュード・認知症介護実践者研修などの専門研修受講で、BPSDへの専門的対応が身につきます。一人で対応せず複数名対応の仕組みを徹底し、暴力リスクの高い利用者への対応マニュアルを整備することです。


きつさ9位:看護職との立場の違い

医療職と介護職の権限格差・立場差を感じる場面。「介護職の意見は聞いてもらえない」「看護職に下に見られる」という声は、介護現場でしばしば聞かれます。

乗り越え方:介護職の専門性(生活全般の支援、観察記録、家族支援、認知症ケア)を言語化して伝える努力です。多職種カンファレンスでの発言、SOAP記録での具体的な情報提供、利用者の生活ぶりを伝えるコミュニケーション——プロとしての連携文化を双方で築くことが必要です。


きつさ10位:夜勤による生活リズムの乱れ

月8〜10回の夜勤で生活リズムが乱れ、自律神経・ホルモンバランス・睡眠の質に影響が出ます。長期化すると体調不良・うつ症状のリスクも高まります。

乗り越え方:夜勤回数の調整(月6〜8回まで)、夜勤明けの仮眠習慣、規則的な食事と運動、定期的な健康診断。夜勤体制が職員の健康を考慮した施設(夜勤2人体制・短時間夜勤・夜勤専従と日勤専従の分業)を選ぶことです。


きつさを乗り越えるための共通原則

きつさを軽減するためには、3つの原則があります。

1. 一人で抱えない:辛いことを職員間で共有し、上司・産業医・職員相談窓口を活用します。介護はチームで行う仕事です。

2. 制度を使い切る:有給休暇・産休育休・介護休業・休職制度。労働者の権利として制度を活用することは、長く働くためのインフラです。

3. 環境を選ぶ:加算取得施設・離職率低い施設・教育体制ある施設・福祉用具導入施設——「働きやすい施設」を選ぶことが、きつさをマネジメントする最も大きな要因です。


まとめ

介護職のきつさは、排泄介助・看取り・夜勤・腰痛・給与・モンスター家族・認知症ケアなど多面的です。すべてを一人で乗り越えるのは無理ですが、施設選び・制度活用・チーム連携で大幅に軽減できます。

「きつい仕事」だからこそ、自分が長く続けられる環境を選ぶ目を持つことが大切です。施設見学・転職エージェント活用・職員の声(口コミサイト)を組み合わせて、自分に合う施設を見つけてください。


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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム

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