介護老人保健施設|在宅復帰支援の現場
介護老人保健施設(老健)は、3〜6か月の在宅復帰を目的とした中間施設です。医師常勤・リハビリ職連携が密で、特養とは異なる多職種連携の中核として介護福祉士が活躍します。
老健の概要
法律上の位置づけ
介護保険法上の介護老人保健施設。
入所基準
要介護1以上(介護保険対応)。
入所期間
3〜6か月の在宅復帰目的。長期入所は基本的にしない。
全国の老健数
約4,000施設。
老健の役割
在宅復帰支援
- リハビリで機能回復
- 在宅生活への準備
- 家族指導
中間施設
- 病院から自宅への中継地点
- 自宅から施設への中継地点
医療と介護の融合
医師常勤・看護職員配置で医療連携が密。
老健の特徴
医師常勤
利用者100名に1名以上の常勤医師。
看護職員配置
人員配置基準で看護職員も多数配置。
リハビリ職
PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)が常勤。
在宅復帰率
施設の指標。30〜50%が標準。高い施設で60%超。
介護職員の業務
身体介護
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 移乗介助
- 着替え介助
リハビリ補助
- リハビリ室への送迎
- リハビリ職との連携
- 病棟でのADL訓練補助
多職種連携
- 医師回診同行
- 看護職への申し送り
- リハビリ職との情報共有
- 栄養士・相談員との連携
在宅復帰支援
- 自宅での生活シミュレーション
- 家族指導の補助
- 退所前の準備
1日の流れ
日勤(8:30〜17:30)
- 8:30 申し送り
- 9:00 リハビリ室への送迎
- 10:00 PT/OT/STとの情報共有
- 11:00 昼食準備の介助
- 12:00 昼食介助
- 13:30 機能訓練・歩行訓練付き添い
- 14:30 入浴介助(該当日)
- 16:00 おやつ・記録
- 17:00 夕食準備
- 17:30 退勤
夜勤(2交代制 17:00〜翌9:00)
- 17:00 申し送り
- 18:00 夕食介助
- 19:30 就寝介助
- 21:00 消灯・巡回開始
- 23:00 おむつ交換
- 5:00 起床準備
- 7:00 朝食介助
- 9:00 退勤
老健は看護職員も夜勤に入るため、医療連携が密です。
多職種連携の実際
医師回診
- 週1〜2回の医師回診
- 介護職員も同行
- 利用者状態の報告
多職種カンファレンス
- 週1〜2回開催
- 全職種参加
- 在宅復帰計画の策定
リハビリ職との連携
- 朝のリハビリ送迎時の情報共有
- 病棟でのADL訓練の連携
- 退所時の家族指導
退所前カンファレンス
- 在宅復帰前の最終確認
- 家族・ケアマネ参加
- 介護職員からの情報提供
給与・年収
介護福祉士の月給
- 25〜32万円
- 医療法人運営は医療職並みの福利厚生
年収
- 介護福祉士:370〜430万円
- 主任介護福祉士:480〜560万円
- 副施設長:550〜680万円
- 施設長:600〜800万円
賞与
- 医療法人:年3〜4か月分
- 社会福祉法人:年4〜5か月分
老健で働くメリット
1. 多職種連携の経験
医療と介護の融合の中で、多職種連携スキルが向上。
2. リハビリ知識
PT/OT/STとの連携でリハビリ知識が身につく。
3. 医療連携
医師・看護との密接な連携。
4. 在宅復帰支援のやりがい
利用者の在宅復帰に立ち会える。
5. キャリアの広がり
介護医療院・看多機等への転職に有利。
老健で働くデメリット
1. 利用者の入退所
3〜6か月で入退所のため、利用者との関係構築が短い。
2. リハビリ業務の補助
直接ケアより補助業務が多い場合あり。
3. 多職種との温度差
医療職との関係調整。
4. 退所判断のプレッシャー
在宅復帰のための退所判断。
老健の介護職員のキャリア
5年目
- 介護福祉士取得
- リハビリ補助の専門性向上
10年目
- ユニットリーダー
- ケアマネ取得
- 多職種連携の中核
15年目以降
- 主任介護福祉士
- 副施設長候補
- 施設長候補
老健を選ぶメリット
重度ケアと多職種連携
特養の重度ケア+老健の多職種連携で、総合的な介護スキル習得。
医療連携の経験
介護医療院・看多機等への転職に活きる。
キャリアの選択肢
ケアマネ・主任ケアマネへのスムーズな移行。
老健の体験談
30歳・老健介護福祉士
「老健で5年経験、多職種連携が密で勉強になっています。リハ職との連携で在宅復帰支援に関われるやりがい。年収420万円。」
38歳・老健ユニットリーダー
「老健リーダーで月給33万円・年収450万円。医師・看護との連携で、医療知識も身につきました。」
45歳・老健副施設長
「老健の副施設長で年収620万円。医療法人運営で福利厚生も充実。施設長就任を視野に。」
老健を選ぶ際のチェックポイント
1. 在宅復帰率
30%以上が望ましい。
2. 医療連携
医師・看護の配置・関わり方。
3. リハビリ職
PT/OT/STの配置数。
4. 多職種カンファレンス
週何回開催されるか。
5. 教育体制
医療連携研修・リハ知識習得支援。
老健と特養の違い
老健
- 在宅復帰目的
- 医師常勤
- リハ職常勤
- 入所3〜6か月
特養
- 終のすみか
- 看取り対応
- 看取り介護加算
- 長期入所
それぞれの特徴を理解して選びます。
まとめ
介護老人保健施設は、3〜6か月の在宅復帰支援を目的とした中間施設です。医師・看護・リハビリ職との多職種連携が密で、介護福祉士の総合的なスキルアップが可能。年収370〜430万円・キャリアの広がりも特養と同等です。
多職種連携・医療連携・在宅復帰支援に関わりたい方は、老健を選択肢として検討してください。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム