介護職の残業時間|施設別ランキング
「介護現場では残業が多い」というイメージがあります。記録業務・引き継ぎ・急変対応——様々な要因で残業が発生し、サービス残業が常態化する施設も少なくありません。
この記事では、介護職員の残業時間を、施設別ランキング・原因・対策まで現場目線で解説します。
介護職員の残業時間の実態
業界平均
介護労働実態調査では、月平均残業時間は約10〜15時間。
施設形態別
- 特養:月10〜20時間
- 老健:月8〜15時間
- 有料:月10〜20時間
- GH:月5〜10時間
- デイ:月5〜10時間
- 訪問介護:月3〜8時間
施設形態と運営方針で大きく差があります。
残業の主な原因
1. 記録業務の押し出し
日中の介助で記録時間が取れず、勤務時間後に書く。
2. 引き継ぎの長さ
夜勤明けの申し送りが長い。書面+口頭で時間がかかる。
3. 急変対応
利用者の急変・転倒・誤嚥対応で勤務時間延長。
4. 家族対応
面会時のクレーム・退所相談で時間延長。
5. 会議・カンファレンス
多職種カンファレンス・運営会議への参加。
6. 人員不足
人員配置基準ぎりぎりで運営する施設。
サービス残業の問題
サービス残業の実態
労働時間として認められず、給与が支払われない残業。介護業界の慢性課題。
サービス残業の例
- 記録業務を勤務時間外に
- 早出での準備時間
- 引き継ぎの延長
- 会議への前準備
サービス残業の違法性
労基法違反で、労働基準監督署への相談対象。
サービス残業を防ぐ施設の工夫
- ICT記録ツール導入
- インカム連携
- 残業時間管理アプリ
- 申し送りの短縮
施設別の残業時間ランキング
1位:残業多い施設形態
特養従来型
- 平均月15〜25時間
- 30〜50床の大規模施設
- 記録業務が手書きの場合多い
介護付き有料(中小)
- 平均月15〜20時間
- 利用者層が幅広く対応多様
2位:残業普通の施設形態
特養ユニット型
- 平均月10〜15時間
- ICT記録導入施設は短い傾向
老健
- 平均月10〜15時間
- 多職種連携で会議多い
3位:残業少ない施設形態
グループホーム
- 平均月5〜10時間
- 9名×ユニットで業務量限定
デイサービス
- 平均月5〜10時間
- 日勤のみで時間管理しやすい
訪問介護
- 平均月3〜8時間
- 1人完結で記録時間も訪問間に確保
残業時間管理の方法
タイムカード
- 紙のタイムカード
- ICカード打刻
- アプリ打刻
ICT勤怠管理
- 勤怠管理アプリ(Touch On Time等)
- スマホ打刻
- GPS連動
残業時間の記録
- 勤怠管理システムへの入力
- 残業申請書の提出
- 月次集計
これらが整備された施設は、サビ残が起きにくい。
労基法上の残業ルール
法定労働時間
- 1日8時間
- 週40時間
36協定
労働者代表との協定で、法定時間超の労働が可能に。
残業代
- 通常残業:25%増
- 深夜残業(22:00〜5:00):50%増
- 法定休日労働:35%増
これらが正しく支給されない場合、労基法違反です。
残業代未払いへの対応
対応1:証拠の収集
- 勤務記録
- タイムカード
- 業務メモ
- 同僚の証言
対応2:施設長への申し出
書面で残業代支払いを要求。
対応3:労働基準監督署への相談
労基署への相談で施設指導。
対応4:弁護士相談
- 法テラス(無料相談)
- 弁護士会の労働相談
対応5:労働組合の活用
施設に労働組合があれば、団体交渉で対応。
残業を減らす施設の特徴
1. ICT記録ツール導入
記録時間が30分→10分に短縮。
2. 人員配置に余裕
3:1配置より手厚い施設は残業少ない。
3. 業務分担の最適化
介護助手・周辺業務の分業で介護福祉士が専門業務に集中。
4. 申し送りの効率化
インカム・タブレットでリアルタイム共有。
5. 残業時間管理の徹底
月平均10時間以下を目標とする施設。
これらが整った施設で、ワークライフバランスを実現。
残業を減らす個人の工夫
工夫1:こまめな記録
休憩前・午後始業前に5分ずつ書く。
工夫2:テンプレ活用
定型記述をテンプレ化。
工夫3:音声入力
ICT記録ツールの音声入力機能。
工夫4:申し送りの整理
要点を絞った簡潔な伝達。
工夫5:タスクの優先順位
緊急度・重要度で業務を整理。
これらで個人としても残業時間を削減できます。
残業時間の確認方法
求人票での確認
- 「残業月10時間以下」明記
- 「ノー残業デー実施」
- 「ICT記録導入」
面接での質問
- 「平均残業時間は?」
- 「サービス残業はないですか?」
- 「残業代の支払いルールは?」
施設見学
- 17:30以降の施設の様子
- 残っている職員の数
- 記録室の利用状況
残業の体験談
28歳・特養従来型(残業月20時間)
「特養従来型で月20時間の残業。記録業務が手書きで時間がかかる。ICT導入施設に転職を検討中です。」
35歳・GH(残業月5時間)
「GHは9名×ユニットで業務量が限定的。残業はほぼなく、家族との時間が確保できています。」
42歳・有料主任(残業月15時間)
「有料主任で月15時間程度。会議・家族対応が多めですが、残業代はしっかり支給されているので不満なし。」
まとめ
介護職員の残業時間は、施設形態・運営方針で大きく異なります。月5〜20時間が標準的な範囲で、ICT記録導入施設・人員配置に余裕のある施設は残業少なめ。
サービス残業が常態化している施設は労基法違反。労基署・弁護士・労働組合への相談を活用してください。転職時には残業の実態を必ず確認し、ワークライフバランスを実現できる施設を選びましょう。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム