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ユニットケア|個別ケアの…

ユニットケア|個別ケアの実践と特養の現在

ユニットケアは、従来の集団ケアから個別ケアへと特養の運営方式を転換した革新的なケア手法です。10名×ユニットで家庭的環境を再現し、固定担当職員が利用者となじみの関係を築きます。2003年以降に全国の特養で導入が進み、現在は新設特養のほとんどがユニット型です。

この記事では、ユニットケアの基本理念・実践方法・職員のキャリアパスを現場目線で解説します。


ユニットケアの基本理念

ユニットケアは「個別ケア」を理念の中核に置きます。

個別ケアとは

利用者一人ひとりの生活歴・嗜好・身体状況を尊重し、その人らしい生活を施設の中でも実現するケア。集団行動ではなく個人の選択を優先する考え方です。

従来型(集団ケア)との違い

観点 従来型 ユニット型
食事 食堂で集団 各ユニットで
入浴 大浴場で集団 個別浴・小浴室
部屋 4人部屋・2人部屋多い 個室標準
起床 一斉起床 自分のペースで
職員 フロア全体担当 ユニット固定

ユニット型は利用者の生活の自由度が高く、自分のペースで暮らせる構造です。


ユニット型特養の構造

物理的構造

10名の個室+共有リビング・ダイニング・浴室で1ユニット。3〜10ユニットで施設全体を構成します。

  • 個室:6.5平米以上(2003年以降の新設)
  • 共有リビング:広さ・採光に配慮
  • 小規模浴室(または個別浴)
  • ミニキッチン(食事準備可能)

職員配置

  • ユニット担当職員:2〜4名(交代制)
  • 介護職員配置3:1
  • ユニットリーダー1名(各ユニット)

職員固定担当により、利用者と職員のなじみの関係が深く築かれます。


ユニットケアの実践

1日の流れの違い

従来型:朝7時一斉起床→8時食堂で朝食→10時集団体操→…
ユニット型:利用者ごとに起床時間を尊重→個別に朝食→希望に応じてレクや散歩

個別性の重視

  • 食事メニューの選択肢
  • 入浴日・時間の希望尊重
  • 居室での過ごし方の自由
  • 趣味活動への参加(または不参加)の選択

看取り期のユニットケア

ユニット担当職員と長く関わった利用者の看取りには、その職員が中心的に関わります。家庭的な雰囲気の中での看取りが、家族からも高く評価されます。


ユニットリーダー研修

ユニットケアを実践するためには、ユニットリーダーの専門性が必要です。

研修の概要

  • 主催:都道府県・厚労省指定機関
  • 期間:8日間(60時間程度)
  • 内容:ユニットケアの理念・実践・運営
  • 修了後:ユニットリーダー手当の対象になる施設も

研修内容

  1. ユニットケアの理念
  2. 24時間シート(個別ケアの記録ツール)
  3. 利用者主体の生活支援
  4. 多職種連携の実践
  5. ユニット運営のマネジメント

ユニットリーダー研修は、特養での主任候補・施設長候補のキャリアステップとして重要です。


ユニットケアと従来型のキャリア

ユニット型に向く介護職員

  • 個別ケア・なじみの関係を好む
  • 利用者と深く関わりたい
  • 細やかな観察記録ができる
  • 多職種連携が得意

従来型に向く介護職員

  • 効率的な業務運営が得意
  • 集団行動の中でリーダーシップを発揮
  • 大規模施設での経験を積みたい
  • スピード感のある業務を好む

どちらにも適性があり、自分のタイプで選ぶのが正解です。


ユニットケアの課題

1. 職員1人あたりの責任増

個別対応で職員1人あたりの責任が増し、負担感が大きくなることがあります。

2. 記録量の増加

24時間シート・個別記録など、記録量が従来型より多めです。ICT記録ツールの活用が前提になります。

3. 人手不足の影響を受けやすい

ユニット固定担当のため、職員1名の欠員でユニット運営に大きな影響が出ます。

4. 教育コストの高さ

ユニットケアには専門研修が必要で、職員教育に投資が必要です。

これらの課題への対応として、ICT化・タスクシフト・職員教育への投資が重要になります。


ユニット型の利用者の暮らし

ユニット型特養の利用者の生活ぶりは、従来型と大きく異なります。

利用者の声

  • 「自分のペースで起きられるのが嬉しい」
  • 「食事の時間を選べて自由」
  • 「職員さんがいつも同じで安心」
  • 「家族が来た時に静かに話せる」

家族の評価

  • 「父が以前より穏やかに暮らしている」
  • 「個室で家族との時間を持てる」
  • 「職員さんとの関係が深い」

家族の満足度・利用者のQOL(生活の質)は、ユニット型の方が高い傾向にあります。


ユニット型の人員配置

法令上の配置基準

従来型と同じ3:1の介護・看護職員配置が原則です。ただし「常時1名以上の介護職員配置」が遵守できない夜勤帯の課題があります。

夜勤体制

  • 1ユニット(10名)×3ユニットで夜勤者2〜3名
  • 認知症対応・転倒リスクへの対応
  • センサー併用での効率化

人員配置基準の見直しは、業界全体で議論されている課題です。


ユニットケアの将来

トレンド

  • 全国の新設特養はユニット型が中心
  • 既存従来型のユニット化改修
  • ユニット型小規模施設(地域密着型介護老人福祉施設)の拡大
  • ICT・センサーでの個別ケア支援

政策的方向性

国は個別ケア重視の方針で、新設特養はユニット型を原則としています。地域密着型介護老人福祉施設(29名以下のユニット型)の整備も進めています。


まとめ

ユニットケアは、利用者主体・個別ケアの理念を実践する特養の運営方式です。10名ユニット×固定担当でなじみの関係を築き、家庭的環境の中で利用者の生活を支えます。

ユニットリーダー研修・個別ケア記録・多職種連携——専門性が問われる施設形態ですが、利用者・家族の満足度が高く、介護職員のやりがいも大きいです。個別ケア志向の介護職員には特に向いている職場です。


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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム

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