小規模多機能型居宅介護|3つのサービス統合
小規模多機能型居宅介護(小多機)は、通い・訪問・泊まりの3サービスを同じ職員が担当する形態です。利用者にとって「同じ顔」のケアが続く安心感があり、地域包括ケアシステムの中核として注目されています。
小多機の概要
法律上の位置づけ
地域密着型介護保険サービスの一つ。
登録定員
25名以下(小規模)。
全国の事業所数
約5,500事業所(2025年現在)。
利用者層
要支援2〜要介護5の在宅生活継続者。
3つのサービス
通い(デイ)
- 通常のデイサービス相当
- 1日あたり登録定員の半分以下
訪問
- 訪問介護相当
- 必要時に対応
泊まり(ショートステイ)
- 短期入所
- 1日あたり登録定員の3分の1以下
これらを利用者の状態・要望に応じて柔軟に組み合わせて提供。
小多機の特徴
顔なじみのケア
同じ職員が3サービスを担当。利用者・家族の安心感大。
柔軟性
利用者の状態変化に応じてサービス組み合わせを変更可能。
在宅生活の支援
施設入所を避け、在宅生活を継続。
家族のレスパイト
家族の休息のための泊まりサービス。
介護職員の業務
通いサービス時
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 機能訓練
- レクリエーション
訪問サービス時
- 利用者宅での身体介護
- 緊急対応
- 服薬支援
泊まりサービス時
- 夜間の見守り
- 排泄介助
- 起床介助
全般
- ケアプランへの参加
- 多職種連携
- 家族対応
3サービスをこなす総合的な業務です。
1日の流れ
日勤(8:30〜17:30)
- 8:30 出勤・通い利用者の迎え
- 9:30 通い利用者のバイタル測定・体操
- 10:00 入浴介助・機能訓練
- 11:30 昼食準備・配膳
- 12:00 昼食
- 13:00 通いの方とレク・必要時に訪問へ出動
- 15:00 おやつ
- 16:00 帰宅送迎・宿泊者の受け入れ
- 17:00 記録・夜勤への申し送り
- 17:30 退勤
通いと訪問を同じスタッフが担当。
夜勤(17:00〜翌9:00)
- 17:00 申し送り
- 18:00 宿泊者の夕食
- 20:00 就寝介助
- 21:00 消灯・夜勤開始
- 0:00〜5:00 巡回・体位変換
- 6:30 起床介助・朝食準備
- 9:00 退勤
宿泊者対応の夜勤。
給与・年収
介護福祉士の月給
- 25〜32万円
- 看護職員配置加算等で評価
年収
- 介護福祉士:340〜400万円
- 介護支援専門員(計画作成担当者):420〜500万円
- 管理者:500〜650万円
賞与
- 大手介護グループ:年3〜4か月分
- 社会福祉法人:年4〜5か月分
夜勤手当
- 1回6,000〜10,000円
- 月数回の夜勤
看護小規模多機能(看多機)
看多機の概要
小多機+訪問看護機能。看護職員配置強化。
登録定員
29名以下。
全国の事業所数
約900事業所(2025年現在)。
特徴
- 医療ニーズの高い在宅利用者
- 喀痰吸引・経管栄養対応
- 訪問看護との連携
給与
- 介護福祉士:350〜420万円
- 看護職員:400〜500万円
医療連携が密で、喀痰吸引等研修修了者の活躍場面。
小多機のメリット
1. 多面的な関わり
通い・訪問・泊まりで利用者を支える。
2. 顔なじみのケア
利用者・家族と深い関係。
3. 業務の幅広さ
3サービスをこなすことで総合スキル。
4. 在宅介護の中核
地域包括ケアシステムの中核。
5. キャリアの広がり
ケアマネ・看多機・独立開業。
小多機のデメリット
1. 業務の幅広さ
通い・訪問・泊まり全てこなす負担。
2. 夜勤の必要
宿泊サービスがあるため夜勤あり。
3. 25名の定員管理
利用者・家族との連絡調整が複雑。
4. 人員配置基準の厳しさ
法定基準ぎりぎりで運営の場合。
小多機のキャリア
5年目
- 介護福祉士取得
- 計画作成担当者を視野
10年目
- 計画作成担当者(ケアマネ)
- 介護支援専門員資格取得
15年目以降
- 管理者
- 看多機への展開
- 独立開業
小多機の体験談
32歳・小多機介護福祉士5年目
「小多機5年目で月給28万円・年収400万円。通い・訪問・泊まりの全てに関わり、利用者との関係が深い。やりがいの大きい仕事です。」
38歳・看多機介護福祉士
「看多機での勤務、喀痰吸引等研修受講で医療的ケアも実施。月給33万円・年収450万円。医療と介護の融合の現場です。」
45歳・小多機管理者
「小多機管理者で年収580万円。25名の利用者・家族との関係構築は大変ですが、地域に根ざした介護を実現できる。」
小多機を選ぶポイント
1. 看多機との比較
医療ニーズの有無。
2. 加算取得状況
処遇改善加算I・看護職員配置加算等。
3. 規模
定員25名で運営できる体制。
4. 法人形態
社会福祉法人・医療法人・株式会社。
5. 教育体制
3サービス対応の研修。
小多機の今後
業界の方向性
- 在宅介護の中核
- 地域包括ケアシステムの重要拠点
- 看多機の拡大
国の政策
- 在宅介護の推進
- 看多機の制度的位置づけ強化
- 介護報酬での評価
キャリアの広がり
小多機経験は、訪問介護・看多機・施設介護への転職に有利。
小多機と他施設の比較
小多機vs特養
- 小多機:在宅生活継続支援
- 特養:長期入所(終のすみか)
小多機vs訪問介護
- 小多機:通い・訪問・泊まり統合
- 訪問:訪問のみ
小多機vsデイ
- 小多機:通い+訪問+泊まり
- デイ:通いのみ
それぞれの特徴を理解して選択。
まとめ
小規模多機能型居宅介護(小多機)は、通い・訪問・泊まりの3サービスを統合した、在宅介護の重要拠点です。25名の登録定員でなじみの関係を構築でき、年収340〜400万円・キャリアの広がりも豊富。
看多機は医療連携を強化した上位形態で、医療ニーズの高い利用者を支えます。在宅介護の中核として、地域に根ざした働き方を求める方に向く施設です。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム