介護職転職と保険|健康保険・年金の手続き
介護転職の際、健康保険・年金の手続きを忘れずに進めることは、転職後の生活を守るために重要です。離職期間がある場合は特に、任意継続・国民健康保険・国民年金などの選択肢から最適なものを選ぶ必要があります。
この記事では、介護職員の転職時の保険手続きを、健康保険・厚生年金・離職期間中の選択肢別に解説します。
在職中の保険
健康保険
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)
- 法人独自の健康保険組合
- 月給の約5%を労使折半で負担
厚生年金
- 月給の約9%を労使折半で負担
- 老齢厚生年金として将来支給
介護保険
- 40歳以上は介護保険料も天引き
- 月給の約0.9%を労使折半
雇用保険
- 月給の約0.6%を主に労働者が負担
- 失業時に失業保険として支給
これらは給与から天引きされ、施設(事業者)が国に納めています。
退職時の保険状態
退職日時点で
- 健康保険:資格喪失
- 厚生年金:資格喪失
- 介護保険:資格喪失
- 雇用保険:離職票を発行
すぐに次の施設に入職する場合(入職日まで間がない場合)、施設が新しい保険手続きを進めるため、個人での手続きは不要です。
離職期間がある場合の選択肢
退職から次の入職まで期間が空く場合(数日〜数か月)、健康保険・年金の選択が必要です。
健康保険の3つの選択肢
- 任意継続(前職の健康保険を最大2年間継続)
- 国民健康保険(市町村が運営)
- 配偶者の扶養に入る(配偶者が会社員の場合)
厚生年金からの切替
国民年金1号(自営業・無職等)に切替。配偶者の扶養に入れば3号(専業主婦・主夫等)。
任意継続のメリット・デメリット
メリット
- 前職の健康保険が継続(慣れた制度)
- 家族の扶養者も継続可能
- 高額療養費制度の限度額が同じ
デメリット
- 保険料が全額自己負担(在職中の労使折半→全額負担で約2倍)
- 最大2年間の制限
- 一度任意継続したら原則変更不可
任意継続の手続き
退職日から20日以内に前職の健康保険組合または協会けんぽに申請。
国民健康保険のメリット・デメリット
メリット
- 市町村運営で全国対応
- 所得に応じた保険料
- 家族別計算で公平性ある
デメリット
- 保険料は全額自己負担
- 前年所得が高いと保険料も高額
- 高額療養費の限度額が任意継続と異なる
国保の手続き
退職日から14日以内に市町村役場で手続き。
任意継続vs国保の比較
どちらが安いか
- 前年所得が低い・扶養家族が多い:国保が有利
- 前年所得が高い・扶養家族が少ない:任意継続が有利
具体的な保険料は、前職の健康保険組合と市町村の窓口で試算可能。両方を比較して選びます。
試算の例(年収400万円・扶養なし)
- 任意継続:月3万円程度
- 国保:月3.5万円程度
ケースで異なるので、必ず両方計算します。
配偶者の扶養に入る選択
条件
- 配偶者が会社員(被用者保険加入)
- 自分の年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)
- 配偶者の収入の半分未満
メリット
- 自己負担なし
- 家族で同じ保険証
デメリット
- 年収制限あり
- 失業保険受給中は対象外の場合も
短期間の離職で配偶者がいる場合、扶養に入るのが最も経済的です。
厚生年金から国民年金1号への切替
手続き場所
市町村役場(国民年金課)
必要書類
- 年金手帳
- 退職証明書または離職票
手続き期限
退職日から14日以内
国民年金1号の保険料
月額約16,500円(2024年度)。免除制度・猶予制度あり。
配偶者の扶養に入る年金切替
国民年金3号被保険者
配偶者(2号被保険者)に扶養される配偶者は、国民年金3号被保険者として保険料負担なしで年金加入が継続。
手続き
配偶者の勤務先で「扶養届」を提出。
年収制限
130万円未満(60歳以上は180万円未満)。
専業主婦・主夫の場合、3号被保険者として年金保険料負担なしです。
失業保険(雇用保険)の受給
受給条件
- 雇用保険加入期間が一定以上(通常6か月以上)
- 失業状態(求職活動中)
- ハローワークで求職申込み
受給額
退職前の賃金の50〜80%(年齢・離職理由で変動)。
受給期間
90〜330日(離職理由・年齢・雇用期間で変動)。
自己都合・会社都合で異なる
- 自己都合:2か月の給付制限期間後に支給開始
- 会社都合:7日間の待期期間後すぐ支給
失業保険受給中の保険
失業保険受給中は配偶者の扶養に入れない場合があります(失業保険を「収入」とみなす)。受給額・期間によっては自分で国保・国民年金に加入する必要があります。
住民税の手続き
在職中
毎月の給与から天引き(特別徴収)。
退職後
普通徴収に切替。市町村から納付書が送付されます。
退職時の対応
- 1〜5月退職:5月分まで一括徴収
- 6〜12月退職:残額を普通徴収
転職先がすぐ決まる場合は、新しい施設での特別徴収継続も可能。
確定申告
年内転職の場合
新しい施設で年末調整可能。前職の源泉徴収票を新しい施設に提出。
年内転職困難な場合
自分で確定申告(翌年2〜3月)。前職の源泉徴収票・国民健康保険料・国民年金保険料の領収書を準備。
失業保険は所得税の対象外
失業保険は非課税のため、確定申告で申告不要。
保険手続きの優先順位
退職後すぐにやること
- 健康保険:任意継続・国保・扶養から選択(退職後14〜20日以内)
- 年金:国民年金1号・3号への切替(退職後14日以内)
- 雇用保険:ハローワークでの求職申込み(失業保険受給希望の場合)
- 住民税:普通徴収への切替
翌年やること
確定申告(年内に転職完了しなかった場合)
すべて期限があるので、退職時にカレンダーで確認します。
保険手続きのチェックリスト
- [ ] 健康保険切替(任意継続/国保/扶養)
- [ ] 年金切替(1号/3号)
- [ ] 雇用保険手続き(ハローワーク)
- [ ] 住民税切替
- [ ] 確定申告(年明け)
まとめ
介護職員の転職時の保険手続きは、健康保険・厚生年金・住民税・雇用保険の4軸で進めます。離職期間がある場合は、任意継続・国保・扶養の3つから経済的に有利な選択を比較します。
退職時に14日以内・20日以内の期限があるため、退職前から計画的に準備してください。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム