介護職の平均年収はいくら?最新データと上げる方法【2026年版】
「介護は給料が安い」というイメージは根強く残っていますが、2010年代以降の処遇改善加算の積み重ねで、状況は確実に変わっています。介護福祉士の常勤平均給与は月額33万円台、年収換算で約400万円。10年前(2014年)の月額26万円から、月7万円・年84万円のアップが実現しています。
この記事では、介護職員の平均年収を、最新データに基づき施設形態別・経験年数別・役職別・地域別に解説し、年収を上げるための具体的な方法を【2026年版】としてまとめます。これから介護に入る方、現役介護福祉士でキャリアアップを考える方、転職を検討する方が自分の年収戦略を考える基盤として活用してください。
介護職員の平均年収の現状
厚生労働省データ(令和5年度処遇状況等調査)
- 介護福祉士の常勤平均月給:33万1080円(処遇改善加算等含む)
- 介護福祉士の年収換算:約400万円
- 全産業との比較:全産業平均年収487万円の約82%
過去10年の推移
- 2014年:月給26万円、年収約310万円
- 2017年:月給28万円、年収約340万円
- 2020年:月給31万円、年収約370万円
- 2023年:月給33万円、年収約400万円
10年で月給7万円・年収約90万円のアップ。介護業界の処遇改善が確実に進んでいることが分かります。
給与構造の3階建て
介護報酬本体(1階部分)
- 基本給:18〜25万円(施設・経験・資格で変動)
- 各種手当:住宅・通勤・夜勤・特殊勤務手当
処遇改善加算(2階部分)
- 加算I取得施設:月3〜4万円
- 加算II取得施設:月2〜3万円
- 加算III取得施設:月1〜2万円
- 加算未取得施設:0円
特定加算+ベースアップ加算(3階部分)
- 特定処遇改善加算(リーダー級):月8万円相当
- ベースアップ等支援加算:月9千円相当
これら3層がすべて積み上がる施設では、介護福祉士の月給が35万円超、年収500万円超も現実的です。
経験年数別の年収
1〜3年目(無資格〜介護福祉士前)
- 月給:20〜23万円
- 年収:300〜340万円
- 主な業務:基礎介助の習得
3〜5年目(介護福祉士取得期)
- 月給:25〜28万円
- 年収:380〜430万円
- 主な業務:中堅職員、夜勤責任者
5〜10年目(中堅・サブリーダー期)
- 月給:28〜32万円
- 年収:420〜500万円
- 主な業務:サブリーダー、ケアマネ受験準備
10〜15年目(リーダー・主任期)
- 月給:32〜38万円
- 年収:480〜580万円
- 主な業務:ユニットリーダー、主任
15年以上(主任〜施設長期)
- 月給:38〜50万円
- 年収:550〜750万円
- 主な業務:主任、副施設長、施設長
経験年数とともに着実に年収アップする業界です。
施設形態別の年収
特別養護老人ホーム(特養)
- 介護福祉士平均月給:30〜33万円
- 年収:380〜450万円
- 賞与:年4〜5か月分
- 看取り介護加算取得施設多数
介護老人保健施設(老健)
- 介護福祉士平均月給:29〜32万円
- 年収:370〜430万円
- 賞与:年3〜4か月分
- 多職種連携が活発
介護付き有料老人ホーム
- 介護福祉士平均月給:27〜32万円
- 年収:340〜420万円
- 大手チェーンは賞与3〜4か月
グループホーム(GH)
- 介護福祉士平均月給:26〜30万円
- 年収:330〜400万円
- 認知症ケア専門性で評価
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 介護福祉士平均月給:24〜28万円
- 年収:300〜360万円
- 介護は別契約のため低めの傾向
通所介護(デイサービス)
- 介護福祉士平均月給:24〜28万円
- 年収:300〜360万円
- 日勤のみで夜勤手当なし
訪問介護(ホームヘルパー)
- 常勤介護福祉士月給:25〜30万円
- 登録ヘルパー:時給1,500〜2,000円
- 年収:330〜420万円
小規模多機能・看多機
- 介護福祉士平均月給:27〜31万円
- 年収:340〜400万円
施設形態で年収に大きな差があり、転職時の重要な判断材料です。
都道府県別の年収
高水準地域(都市部)
- 東京都:平均年収400〜450万円
- 神奈川県:平均年収380〜430万円
- 大阪府:平均年収380〜430万円
- 愛知県:平均年収370〜420万円
中水準地域
- 京都府:平均年収360〜410万円
- 兵庫県:平均年収360〜410万円
- 福岡県:平均年収350〜400万円
やや低水準地域
- 北海道:平均年収340〜390万円
- 東北6県:平均年収330〜380万円
- 四国4県:平均年収330〜380万円
- 九州・沖縄:平均年収320〜380万円
役職別の年収
一般介護職員
- 月給:23〜30万円
- 年収:300〜400万円
サブリーダー(チーフ)
- 月給:26〜32万円(手当含)
- 年収:340〜450万円
- 手当:月3千〜1万円
ユニットリーダー
- 月給:30〜36万円(手当含)
- 年収:420〜520万円
- 手当:月1〜2万円
主任介護福祉士
- 月給:33〜40万円(手当含)
- 年収:480〜600万円
- 手当:月2〜4万円
副施設長
- 月給:38〜45万円(手当含)
- 年収:550〜680万円
施設長
- 月給:45〜55万円
- 年収:600〜800万円
統括マネージャー
- 月給:55〜70万円
- 年収:750〜1000万円
役職昇進で年収が大きく伸びる業界です。
資格別の年収
無資格
- 月給:19〜22万円
- 年収:280〜320万円
介護職員初任者研修
- 月給:21〜24万円
- 年収:300〜340万円
- 資格手当:月1千〜3千円
介護福祉士実務者研修
- 月給:23〜26万円
- 年収:330〜380万円
- 資格手当:月3千〜8千円
介護福祉士
- 月給:26〜32万円
- 年収:380〜450万円
- 資格手当:月5千〜1.5万円
ケアマネジャー
- 月給:28〜35万円
- 年収:400〜500万円
- 資格手当:月5千〜2万円
主任ケアマネジャー
- 月給:32〜40万円
- 年収:450〜580万円
- 資格手当:月1〜3万円
認定介護福祉士
- 月給:35〜45万円
- 年収:500〜650万円
- 資格手当:月1〜2万円
資格取得は確実な年収アップにつながる介護業界の特徴です。
法人形態別の年収
社会福祉法人
- 月給:27〜33万円
- 年収:380〜450万円
- 賞与:年4〜5か月(高水準)
- 退職金共済加入(退職金充実)
民間中小法人
- 月給:25〜30万円
- 年収:340〜400万円
- 賞与:年2〜3か月
大手介護グループ(SOMPO・ベネッセ等)
- 月給:28〜35万円
- 年収:400〜500万円
- 賞与:年3〜4か月
- 福利厚生・教育充実
医療法人運営施設
- 月給:27〜33万円
- 年収:380〜450万円
- 医療職並みの福利厚生
長期キャリア視点では、社会福祉法人系が最も経済的に有利です。
年収を上げる7つの方法
方法1:介護福祉士取得
無資格→介護福祉士で年収80〜120万円アップ。最も投資効果の高い資格取得です。
- 期間:3年(実務経験)+実務者研修+国家試験
- 費用:11〜23万円
- 投資回収:1〜2年
方法2:加算I取得施設への転職
加算未取得→加算I取得施設で年収40〜100万円アップ。施設選びの最重要軸です。
方法3:夜勤回数を増やす
月8回→10回で月夜勤手当2〜2.4万円アップ。健康管理が前提の戦略。
方法4:特定処遇改善加算配分対象になる
リーダー級・経験豊富な介護福祉士は月8万円相当の加算配分対象。年収100万円アップが現実的。
方法5:ケアマネジャー取得
年収100〜150万円アップ。介護福祉士+5年経験で受験可能。
方法6:主任・施設長への昇進
主任で年収100万円アップ、施設長で200〜300万円アップ。
方法7:訪問介護事業所の独立開業
成功すれば年収1000万円超も。リスクと引き換えの選択肢。
これらを組み合わせることで、年収500〜800万円帯を実現できます。
年収アップの長期戦略
20代:基礎固め
- 介護福祉士取得(3年目)
- 加算I取得施設で経験
- 認知症介護実践者研修
- 年収320〜420万円達成
30代:中堅職員へ
- ユニットリーダー昇進
- ケアマネジャー取得
- 認知症介護リーダー研修
- 年収420〜520万円達成
40代:管理職へ
- 主任介護福祉士昇進
- 副施設長候補
- 認定介護福祉士検討
- 年収500〜650万円達成
50代:施設長・独立
- 施設長昇進
- 統括マネージャー
- 訪問介護独立開業
- 年収600〜1000万円達成
長期視点で計画的にキャリアアップすることが、確実な年収アップの方法です。
介護職員の手取りシミュレーション
年収400万円の手取り
- 額面:33万円
- 社会保険料:約5万円
- 所得税:約7千円
- 住民税:約1.5万円
- 手取り:約25.8万円
年収500万円の手取り
- 額面:42万円
- 社会保険料:約6.3万円
- 所得税:約1.5万円
- 住民税:約2万円
- 手取り:約32.2万円
年収600万円の手取り
- 額面:50万円
- 社会保険料:約7.5万円
- 所得税:約2.5万円
- 住民税:約2.6万円
- 手取り:約37.4万円
額面の80〜85%が手取りの目安です。
介護福祉士の体験談
28歳・特養介護福祉士5年目
「特養5年目、ユニットサブリーダーで年収420万円。介護福祉士+夜勤月10回+加算I取得施設で、業界平均より高い水準。次はケアマネ取得を目指しています。」
35歳・GHユニットリーダー
「GHでユニットリーダー、認知症介護実践者研修・リーダー研修取得で月給33万円・年収450万円。特定処遇改善加算の配分対象で、年収500万円が見えています。」
42歳・特養主任介護福祉士
「特養主任で年収520万円。介護福祉士+ケアマネ+主任手当+特定加算配分で達成。次は副施設長を目指して、3年後に施設長就任を視野に。」
50歳・有料老人ホーム施設長
「有料老人ホーム施設長で年収700万円。10年経験を経て施設長就任。経営的責任は重いですが、介護のキャリアアップとして納得できる収入です。」
55歳・訪問介護独立開業
「特養施設長10年経験後、訪問介護事業所を開業。3年で年収1000万円達成。経営は大変ですが、自分の理念を実現できる楽しさがあります。」
介護職員の年収アップへの提言
提言1:資格取得を最優先
介護福祉士・ケアマネ・主任ケアマネ・認定介護福祉士——資格取得は確実な投資です。
提言2:加算取得施設を選ぶ
加算I取得施設・特定処遇改善加算配分を意識した施設選び。
提言3:長期勤続でも転職する勇気
長期勤続のメリットと転職での年収アップを比較して判断。
提言4:多職種連携で視野を広げる
医療・リハ・栄養・相談員との連携で、ケアマネ・主任への道が開けます。
提言5:独立開業も視野に
40代後半〜50代で独立開業の選択肢を検討。
まとめ
介護職員の平均年収は、月給33万円・年収400万円が現状の業界平均です。経験年数・施設形態・地域・役職・資格・法人形態で大きく変動し、年収500〜800万円帯への到達も計画次第で可能です。
処遇改善加算の3階建て構造を理解し、加算I取得施設で経験を積み、介護福祉士・ケアマネ・主任への道を計画的に進めば、20年スパンで年収700万円以上も現実的です。
これから介護を選ぶ方、現役介護福祉士でキャリアアップを考える方は、長期視点で年収戦略を組み立ててみてください。介護業界は努力が確実に報われる業界です。
関連記事
- 介護職のキャリアパス完全ガイド|資格別ロードマップ【2026年版】
- 介護職の処遇改善加算|月給に上乗せされる仕組み
- 介護職の年収を上げる7つの方法|転職別事例
- 介護職の役職別年収|主任・副主任・施設長の手当
- 介護職が高収入を狙える働き方TOP10
最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム