介護喀痰吸引等研修|医療的ケアの実践
2012年の制度改正で、介護職員にも一部の医療行為が認められるようになりました。介護職員等による喀痰吸引等研修を修了することで、喀痰吸引・経管栄養が実施可能になります。
この記事では、喀痰吸引等研修を、第1号・第2号・第3号研修の違い・基本研修と実地研修・修了後の業務範囲まで網羅的に解説します。
喀痰吸引等研修の概要
制度の背景
医師法・保健師助産師看護師法で限定されていた医療行為のうち、喀痰吸引・経管栄養を介護職員にも認める制度。
認められる医療行為
- 口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内の喀痰吸引
- 胃ろう・腸ろう・経鼻胃管による経管栄養
制度の意義
- 看護職員不足の解決
- 在宅介護の充実
- 介護職員の業務範囲拡大
研修の種類
第1号研修
- 不特定多数の者を対象
- 全行為(5行為)実施可能
- 喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内)+経管栄養(胃ろう・経鼻胃管)
第2号研修
- 不特定多数の者を対象
- 一部行為のみ実施可能
- 個別に選択
第3号研修
- 特定の対象者(自宅・障害福祉等)
- 特定の行為のみ
- ALSや重症心身障害児者対象
研修の構成
基本研修
- 講義(50時間)
- 演習
- シミュレーション
実地研修
- 実際の利用者への実施
- 看護師の指導下
- 各行為で5回以上の実施
両方を完了して修了。
受講機関
第1号・第2号研修
- 都道府県登録の研修機関
- 民間スクール(三幸福祉カレッジ等)
- 介護福祉士養成校
第3号研修
- 都道府県登録の研修機関
- 訪問介護事業所等
受講料
- 基本研修:5〜10万円
- 実地研修:別途
修了後の業務範囲
介護施設での実施
- 看護師との連携必要
- 医師の指示書
- 個別計画書
訪問介護での実施
- 看護師の代わりに訪問
- 医師の指示書
- 24時間連携体制
重症心身障害児者対応
- 第3号研修修了者
- 在宅・通所での実施
業務範囲拡大のメリット
1. 利用者への対応
医療的ケアが必要な利用者を介護職員が担当可能。
2. 看護職員の負担軽減
介護職員との分担で看護職員が専門業務に集中。
3. 給与アップ
- 月給+3,000〜8,000円(資格手当)
- 専門業務として評価
4. 業務範囲の拡大
特殊な医療的ケア対応で、希少価値高い。
5. 看多機・障害福祉での活躍
医療ニーズの高い現場での専門性。
喀痰吸引等の実施
実施の流れ
- 医師の指示書受領
- 看護師との連携・カンファレンス
- 個別計画書の作成
- 実施(看護師との連携下)
- 記録
- モニタリング
安全管理
- 医師・看護師との緊密な連携
- 異常時の即時対応
- 定期的な評価
注意点・リスク
リスク1:医療事故
不適切な実施で利用者の生命に影響。
リスク2:法的責任
医師の指示なしの実施は違法。
リスク3:身体的負担
頻回な実施で職員の負担。
リスク4:他職種との関係
看護師との関係構築が重要。
これらを意識した慎重な実施が必要です。
看多機での活躍
看護小規模多機能型居宅介護
医療ニーズの高い在宅利用者を支える施設。
喀痰吸引等研修修了者の役割
- 通常の介護業務
- 医療的ケアの実施
- 訪問看護との連携
給与水準
- 月給28〜35万円
- 喀痰吸引等研修手当
- 看護連携加算
看多機は喀痰吸引等研修修了者にとって活躍場面の多い施設です。
障害福祉での活躍
重症心身障害児者支援
- 第3号研修対応
- 自宅訪問での医療的ケア
- 通所支援での対応
給与・キャリア
- 月給25〜32万円
- 専門性の高さ
- ALS対応等の特殊な経験
喀痰吸引等研修の体験談
28歳・特養介護福祉士
「特養での経管栄養対応のため、施設費用負担で第1号研修受講。修了後、看護師との連携で医療的ケアを実施。専門性が高まり、月給+5,000円の手当も。」
35歳・看多機職員
「看多機への転職と同時に第1号研修受講。修了後、訪問看護との連携で医療ニーズ高い在宅利用者を担当。やりがいと責任の両方を感じています。」
42歳・障害福祉施設
「重症心身障害児者支援施設で第3号研修受講。子どもたちと家族を支える専門性で、自分のキャリアの新しい段階に。」
研修受講の注意点
1. 実施機会の確保
実地研修で実際の利用者への実施機会が必要。施設での協力体制が前提。
2. 看護師との関係
連携が前提。看護師の協力がない施設では実施困難。
3. 医師の指示書
医師の指示書なしには実施不可。
4. 5年ごとの再確認
研修内容の更新・スキル維持。
喀痰吸引等研修のキャリアへの影響
キャリアの広がり
- 看多機の主軸
- 障害福祉での活躍
- 介護福祉士+喀痰吸引等での評価
- 在宅介護の高度化
介護福祉士との組み合わせ
- 喀痰吸引等研修+介護福祉士
- 業界での希少価値
- 給与アップの実例
国の制度動向
制度の発展
2012年開始から徐々に拡大。看多機・障害福祉での活躍場面が増加。
報酬上の評価
特定行為手当・特殊勤務手当等で評価。
今後の展開
- 業務範囲の拡大可能性
- 介護職員の医療連携深化
- AIとの連携
喀痰吸引等研修と他資格の連携
介護福祉士+喀痰吸引等
最も標準的な組み合わせ。介護福祉士の業務範囲拡大。
ケアマネ+喀痰吸引等
ケアマネ業務+医療的ケアの理解で、複雑なケースの対応力UP。
認定介護福祉士+喀痰吸引等
最高峰の専門性。
これらの組み合わせで市場価値を高めます。
まとめ
介護喀痰吸引等研修は、介護職員に医療的ケアの一部を認める重要な制度です。第1号〜第3号研修で対象範囲が異なり、基本研修+実地研修で修了します。
看多機・障害福祉・在宅介護での活躍場面が広がっており、介護福祉士との組み合わせで市場価値を大きく高められます。長期キャリアでの専門性として、計画的に取得を検討してください。
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最終更新日: 2026-04-29
執筆: こえば編集部 介護ライターチーム