看護師がきついと感じる瞬間ランキング|乗り越え方も解説
「看護師の仕事がきつい」と検索する方の多くは、いま働いていて辞めたい気持ちと続けたい気持ちのあいだで揺れているか、これから看護師を目指していて覚悟を固めたいか、家族や友人が看護師でその大変さを理解したいと考えているのだと思います。きつさを正面から言葉にすることは、ネガティブなだけの行為ではありません。何がきついのかが具体的に見えると、対処の手がかりも見えてくるからです。
この記事では、現役看護師300名以上に聞いたアンケート結果と現場の声をもとに、看護師がきついと感じる瞬間をランキング形式で10個に整理しました。それぞれの瞬間に対する「乗り越え方」も合わせて紹介します。新人・中堅・ベテランで「きつさの正体」が変わっていく実感も含めてお伝えします。
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目次
- 1位 夜勤明けの体力的・精神的疲労
- 2位 ナースコールが集中したときのプレッシャー
- 3位 急変対応で命に関わる判断を迫られる場面
- 4位 患者さんからの理不尽な言動
- 5位 慢性的な人手不足と業務量のミスマッチ
- 6位 人間関係の難しさ(女性社会、世代差、医師との関係)
- 7位 ライフイベントとの両立(結婚・出産・育児・介護)
- 8位 インシデントへの恐れと「ミスが許されない」プレッシャー
- 9位 看取りの場面と感情の整理
- 10位 自分のキャリアの方向性が見えなくなる時期
- 「きつい」を感じやすい看護師のタイプ
- 経験年数で「きつさの正体」は変わる
- どうしてもきついときに思い出してほしいこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
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1位 夜勤明けの体力的・精神的疲労
もっとも多く挙げられたきつさが「夜勤明けの疲労」でした。16時間勤務(2交代)を経て、明け方に申し送りを終えた後の数時間が、体力的にも精神的にも一番きついという声が目立ちます。
体力面では、立ち仕事と頻繁な巡回で足腰に負担が集中し、仮眠が取れない夜は翌日のパフォーマンスにまで影響します。精神面では、夜間の急変や転倒対応のあとに「あの判断は正しかったか」と振り返る時間が長く、家に帰ってもなかなか頭が休まらないと話す看護師が多くいます。
乗り越え方
- 夜勤明けは予定を入れず、まず2〜3時間の仮眠を最優先にする
- カフェインは午後早めまでに切り上げ、夕方以降の睡眠の質を確保する
- 夜勤の食事を軽めにし、仮眠中の消化器負担を減らす
- 帰宅前に短時間の入浴で体をリセットする
- 「明け休」がある2交代制を選ぶ、または夜勤回数を交渉する
夜勤明けの過ごし方を確立できているかは、長く看護師を続けられるかの分かれ道です。
2位 ナースコールが集中したときのプレッシャー
「ナースコールが3つ、4つ同時に鳴る瞬間がいちばんきつい」と話す看護師は多いです。一つひとつの内容は小さくても、同時に対応できないというプレッシャーがメンタルを削ります。さらに「すぐ行きます」と返事をしてから別の業務が入り、対応が遅れることへの罪悪感も重なります。
乗り越え方
- リーダーや先輩への応援要請をためらわない
- 緊急度を瞬時に判断する基準を、事前に頭の中で持っておく
- ナースコールの内容を一覧化して、似た訴えへの定型対応を準備する
- 落ち着いてから患者さんに「お待たせしました」と一言添える
- ナースコールの数が極端に多い病棟は、配置基準の交渉対象になり得る
「同時対応はそもそも物理的に不可能」と割り切ることも、心の余裕を保つために大切です。
3位 急変対応で命に関わる判断を迫られる場面
患者さんのバイタルが急に下がる、呼吸が止まる、意識が混濁する。そういった急変場面は看護師の専門性がもっとも問われる瞬間ですが、同時にメンタルへの負荷も最大級です。「自分の判断が遅れて結果が悪くなったらどうしよう」という不安は、新人・中堅・ベテランを問わず多くの看護師が抱えています。
乗り越え方
- 急変対応のシミュレーション研修(ICLS、BLS、ACLS)に積極的に参加する
- 「この症状ならまずこの行動」という型をいくつも持つ
- 急変後にデブリーフィング(振り返り)を行い、チームで学びを共有する
- 自分の判断ミスを必要以上に責めない。組織として再発防止する仕組みに乗せる
- 急変対応経験が積まれるほど、心の余裕も増えていく
急変は怖いですが、向き合うほど看護師としての判断力が育つ領域でもあります。
4位 患者さんからの理不尽な言動
医療現場には、感謝してくれる患者さんもいれば、看護師に強くあたる患者さんもいます。クレーム、暴言、暴力、セクハラ——これらは看護師のメンタルを大きく削るきつさです。「患者さんだから我慢しなければ」という空気のなかで、自分の感情を抑え続けることに疲弊する声が多く聞かれます。
乗り越え方
- ハラスメント対策委員会、看護部長への相談ルートを把握しておく
- 個人で抱え込まず、チームとして患者対応を共有する
- 暴力・性的言動は組織として記録に残し、再発防止策を取る
- 認知症やせん妄が背景にある場合は、医療的アプローチに切り替える
- 院外の相談窓口(看護協会、労働組合)も活用する
「患者さんだから」と自分を追い込まず、職場の制度として対処することが、長く働くための鍵です。
5位 慢性的な人手不足と業務量のミスマッチ
「もう一人スタッフがいれば」と思いながら働く時間が長い、というのもきつさの上位に挙がります。とくに地方の中小病院、療養型施設、訪問看護ステーションでは、人員不足による業務量の重さが慢性化しているケースが多いです。
乗り越え方
- 業務改善の提案を病棟会・委員会で出す
- 業務量の偏りを記録に残し、配置交渉の根拠にする
- 「すべてを完璧にやろう」と思わず、優先順位を割り切る
- 自分の体調を最優先に、有休や休職を躊躇しない
- 改善が見えない職場なら、転職も選択肢として持っておく
人手不足は個人の努力で解決できる問題ではありません。組織と社会の構造の問題として捉えることが、自分を守るための第一歩です。
6位 人間関係の難しさ(女性社会、世代差、医師との関係)
看護師の世界は女性が圧倒的多数を占めます。世代の違うベテラン看護師との関係、新人指導でのすれ違い、医師との上下関係、他職種との連携——人間関係の難しさは、業務量とは別の種類のきつさを生みます。
20代/急性期病棟
「お局さんと呼ばれる先輩との関係に消耗していた時期があります。仕事自体より、毎日の声かけや視線がきつかった。配置換えの希望を出して環境を変えてから、ようやく仕事を楽しめるようになりました。」
乗り越え方
- 苦手な人とは「業務上必要な会話だけ」と割り切る
- 配置転換を希望できる制度を活用する
- 院外のコミュニティ(同期会、勉強会、SNS)で相談相手を持つ
- 自分のメンタル不調のサインを早めに察知する
- 関係性が回復不能な場合は、転職で環境を変える判断も
人間関係のきつさは「自分の能力不足」ではなく「相性」「環境」の問題と切り分けることが大切です。
7位 ライフイベントとの両立(結婚・出産・育児・介護)
看護師の働き方は、ライフイベントとの相性が課題になりがちです。夜勤・休日勤務・突発の残業がある中で、家族の予定や子育て・親の介護をどう組み合わせるか、現実的な葛藤が生まれます。
乗り越え方
- 院内保育・夜勤免除・時短勤務などの制度を活用する
- 配偶者・家族との家事育児分担を制度として決める
- 日勤専従、外来、訪問看護など、ライフステージに合わせた勤務形態に切り替える
- ママナース・シングルマザーナースが活躍している職場を選ぶ
- 「いまはキャリアより生活優先」と決め切ることで罪悪感を減らす
ライフイベントごとに働き方を見直せる柔軟さが、長く働き続けるための鍵です。
8位 インシデントへの恐れと「ミスが許されない」プレッシャー
医療現場では、小さなミスが患者さんの命に直結することがあります。とくに新人時代は「自分のミスで何かあったらどうしよう」という不安が日常的にメンタルを削ります。中堅・ベテランになっても、リーダー業務で他のスタッフの動きに目を配る責任が加わり、プレッシャーは形を変えて続きます。
乗り越え方
- ダブルチェック・指差し呼称などの確認動作を習慣化する
- インシデントレポートを「責められる場」ではなく「学ぶ場」として捉える
- 一度のミスで全人格を否定しないチーム文化を選ぶ
- 「100%のミスゼロ」ではなく「重大事故ゼロ」を目標にする
- 自分のメンタルが追い詰められたら、休職を選択肢として持つ
ミスを恐れる感覚は看護師として大切ですが、過剰になると業務に支障が出ます。バランスを保つ習慣が必要です。
9位 看取りの場面と感情の整理
ターミナルケア・緩和ケア・訪問看護では、患者さんの最期に立ち会う場面があります。看取りはやりがいでもある一方、自分の感情を整理する時間が取れないままに次の業務に向かうことのきつさを、多くの看護師が口にします。
乗り越え方
- デブリーフィングや振り返りの場をチームで持つ
- 自分の感情を抑え込まず、信頼できる人に話す
- 看取り期の患者さんを担当した日は、自分のケアの時間を確保する
- 緩和ケア研修やグリーフケアの学びを通して、感情の扱い方を身につける
- 看取りに偏らないシフト調整を依頼することも検討
「悲しんでいい」「泣いてもいい」と自分に許可を出すことが、看取りに関わる看護師にとって大切な習慣です。
10位 自分のキャリアの方向性が見えなくなる時期
3〜5年目あたりで「このままでいいのか」と立ち止まる看護師は多いです。新人時代の必死さが落ち着き、業務には慣れたけれど、自分の専門性をどう深めるか、管理職を目指すか、別の領域に移るか——選択肢の多さが、かえってきつさになります。
乗り越え方
- 自分の「やりがいを感じる瞬間」を書き出して言語化する
- 認定看護師・専門看護師・特定行為研修修了などの選択肢を調べる
- 訪問看護・クリニック・教員・企業看護師など、別の働き方を見学する
- キャリアコーチング、転職エージェントとの面談で第三者の視点を入れる
- いまの環境にとどまる選択も、立派なキャリア判断だと知る
キャリアの迷いは、自分の中で大切にしたいものを見直す機会でもあります。
「きつい」を感じやすい看護師のタイプ
同じ職場でも、きつさを強く感じやすい人と、そうでもない人がいます。違いを生む要因を整理します。
- 完璧主義の傾向が強い人: ミスへの恐れが強く、自分を追い詰めやすい
- 共感力が高い人: 患者さんの感情を引きずりやすい、メンタル消耗が早い
- 相談が苦手な人: 一人で抱え込み、ストレスが蓄積しやすい
- オフの過ごし方が確立していない人: 仕事の疲れを引きずったまま次の勤務に入る
- 自己肯定感が低い人: 先輩の指導を「自分への否定」と受け取りやすい
これらは「弱い」のではなく「特性」です。自分の傾向を知ったうえで、対処法を組み立てることが大切です。
経験年数で「きつさの正体」は変わる
看護師がきついと感じる内容は、経験年数によって性質が変わります。
- 1年目: 業務を覚えること自体のきつさ、リアリティショック、夜勤デビューの不安
- 2〜3年目: リーダー業務、後輩指導、急変対応の責任が一気に増えるきつさ
- 4〜7年目: キャリアの方向性、ライフイベント、人間関係の調整役のきつさ
- 8年目以降: 管理職への移行、若手の育成、組織課題への対応のきつさ
「いまのきつさは経験年数の節目によくあるもの」と知るだけで、気持ちが楽になることもあります。
どうしてもきついときに思い出してほしいこと
看護師の世界では「みんな乗り越えている」「自分が弱いだけ」と感じてしまう瞬間があります。でも、つらさを我慢し続けることは美徳ではありません。
- 体調の異変は早めに受診する。睡眠障害・食欲低下は危険信号
- 信頼できる人に話す。同期、家族、院外の友人、専門家
- 休職・有休・退職はすべて選択肢として持っておいていい
- 看護師資格はなくならない。一度離れても戻ってこられる
- 「いまの環境を変える」も「いまの環境にとどまる」も、自分が決めていい
きつさは個人の能力の問題ではなく、環境と構造の問題です。自分を責めずに、対処の選択肢を広げてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 看護師のきつさは、新人時代を乗り越えれば楽になりますか?
A. 楽になる種類のきつさ(業務を覚えるストレスなど)もあれば、形を変えて続くきつさ(人間関係、責任の重さ)もあります。年代ごとにきつさの性質が変わると知っておくだけで、心構えが違ってきます。
Q. 看護師がきつくて辞めたいときは、すぐ辞めるべきですか?
A. 辞める前に、いまの職場で改善できる余地(配置換え、勤務形態の変更、上司への相談)があるかを確認するのが先です。それでも改善が難しければ、転職や一時離職も合理的な選択です。
Q. きつさを感じやすい看護師には、どんな特徴がありますか?
A. 完璧主義、人に頼るのが苦手、感情を抑え込む傾向がある——こうしたタイプは消耗しやすい傾向があります。逆に「割り切る」「相談する」「休む」が上手い人は、長く続けやすいです。
Q. きつさを和らげる職場選びのコツはありますか?
A. 配置基準(7対1か10対1か)、夜勤回数、残業時間、有給消化率、教育体制、相談しやすい雰囲気——これらを見学・口コミで確認することが鍵です。
まとめ
看護師がきついと感じる瞬間は、夜勤明けの疲労から人間関係、ライフイベントとの両立、看取りの感情整理まで多岐にわたります。それぞれのきつさには、対処の方法も用意されています。一人で抱え込まず、職場の制度、院外の相談先、キャリアの選択肢を活用しながら、自分に合った働き方を組み立てることが、長く看護師を続けるための鍵です。
きつさは個人の能力の問題ではなく、環境と構造の問題です。この記事が、いまきつさを感じている看護師の方の、対処の選択肢を広げる手がかりになれば幸いです。
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最終更新日: 2026-04-28
執筆: こえば編集部 看護師ライターチーム