看護師が辞めたいと思ったら|衝動で辞める前のチェックリストと辞める時期
「もう辞めたい」と思う日が週に何度も来るようになったら、それは無視していいサインではない。一方で、辞めること自体が正解とは限らない。衝動で辞めて後悔した看護師も、限界を越えてから休職に追い込まれた看護師も多い。この記事では、辞める前に確認すべきこと、辞めるべきタイミング、辞め方の順序を整理する。
看護師が「辞めたい」と感じる主な理由
日本看護協会の退職理由調査で上位に入る項目は次の通り。
- 人間関係(上司・同僚との不和、パワハラ)
- 夜勤・残業など労働条件の負担
- 給与・待遇への不満
- 結婚・出産・育児・介護など家庭事情
- キャリアアップ・別分野への挑戦
- 心身の不調
- 他施設・他職種への興味
自分の「辞めたい」が上記のどこに当たるかで、打ち手はまったく違う。まずはこの仕分けから始める。
辞める前に試すべき5つのこと
1. 部署異動を希望する
大きな病院なら、病棟を変えるだけで人間関係も業務量もガラッと変わる。師長に相談して、外来・手術室・訪問部門など別部署への異動が現実的な選択肢かを確認する。異動願いを出すだけなら、辞めるより心理的負担は軽い。
2. 時短勤務・夜勤免除を申請する
育児・介護・健康上の理由があれば、時短や夜勤免除が制度的に使える。完全に辞める前に、労働量を減らして様子を見る選択肢がある。
3. 休職制度を使う
多くの病院に「傷病休職」の制度がある。メンタル不調や体調不良で診断書が出れば、3ヶ月〜1年間休める。休職中に自分を見つめ直して、復職 or 転職 を判断する時間を確保できる。
4. 有給を連続で取る
1週間まとまった休みを取るだけで、自分の状態が「疲れているだけ」なのか「根本的に向いていない」のかが見える。辞める判断を下す前に、冷静になる期間を作る。
5. 産業医・カウンセラーに相談する
病院には産業医が常駐している。職場の人間関係の悩みも、個人情報は守られるルールで相談できる。自分では整理できない感情を言語化してもらうだけでも、判断の精度は上がる。
辞めてよかった看護師・後悔した看護師の分かれ目
辞めてよかったパターン
- 次の職場を決めてから退職した
- 「何が嫌で辞めるのか」を言語化できていた
- 転職先の条件・環境を見学・口コミで下調べしていた
- 辞めた後の3ヶ月分の生活費を確保していた
後悔したパターン
- 勢いで辞めた。次職を決めずに退職した
- 「ここが嫌だった」を整理せず転職し、次の職場でも同じ問題にぶつかった
- 給与だけで選んで、残業・夜勤がさらに増えた
- 転職エージェント任せにして、見学もせず入職した
辞めるかどうかより、「辞めた後の準備をどこまでしたか」が分かれ目になる。
辞める最適なタイミング
1. 次の内定が出てから
原則として「内定→退職届」の順。ブランクを作らない方が経済的にも精神的にも楽。
2. 賞与支給後
賞与支給日の在籍が条件になっているため、6月・12月の支給後に退職届を出すと受け取り損ねない。
3. 年度末(3月末退職)
4月入職が多いため、次の職場を見つけやすい。新人指導責任から離れるタイミングとしても自然。
4. プロジェクト・担当の区切り
新人指導の担当が終わるタイミング、委員会の任期終わりなど、引き継ぎが軽くなる時期を狙う。
退職の伝え方・引き止め対応
師長への伝え方
退職意思は、退職希望日の2ヶ月前までに師長に直接伝えるのが慣例。「一身上の都合で○月末をもって退職させていただきたい」と口頭で伝え、その後に退職届を提出する。
引き止め対応
「人手が足りないから待ってくれ」「来年度まで」と引き止められることは多い。情に流されず、退職日を明確に決めて繰り返し伝えること。不当な引き止めが続く場合は、労働基準監督署・弁護士への相談も選択肢。
引き継ぎ
受け持ち患者の情報、委員会の資料、新人指導の進捗を文書化する。引き継ぎを丁寧にやることが、最後の自分の評価になる。
よくある質問
Q. 退職は何ヶ月前に伝えるべき?
法律上は2週間前の申し出で退職できるが、就業規則で「2ヶ月前までに」と定めている病院が多い。実運用としては2ヶ月前が無難。
Q. 師長に止められた時はどうすれば?
退職意思を文書(退職届)で正式に提出すること。口頭のやり取りだけだと「言った言わない」になる。提出しても受理されない場合は、内容証明郵便での送付も可能。
Q. 辞めてから転職活動するのは無謀?
経済的に3ヶ月分の生活費があり、心身ともに疲弊しているなら、一度離職してから転職活動する選択肢も有効。ブランクが6ヶ月を超えると採用評価でマイナスになることもあるので、期間は区切る。
次の職場を選ぶとき、その病院で実際に働いた看護師の声が一番参考になる。