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認定歯科衛生士になる方法…

認定歯科衛生士になる方法|種類別の取得手順とメリット

認定歯科衛生士になる方法|種類別の取得手順・費用・年収への影響

「認定歯科衛生士」という言葉は1つの資格を指すわけではなく、複数の団体が独自に認定する複数の制度の総称だ。日本歯科衛生士会の認定衛生士、各学会の認定衛生士、民間団体の認定資格など、合計で20種類以上が存在する。それぞれ取得手順、費用、期間、業界での評価が異なる。

本記事では、認定歯科衛生士の主な種類を整理し、取得の手順と費用、現場での活かし方、年収への影響まで具体的に紹介する。「最初に1つ取るとしたらどれか」という判断材料も提示する。長期キャリアの土台として、認定取得は早めに動いておきたいテーマだ。

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目次

「認定歯科衛生士」は1つではない

「認定歯科衛生士」と一言で言っても、認定する団体によって意味が違う。最大手は日本歯科衛生士会で、これに各学会(日本歯周病学会、日本口腔インプラント学会、日本歯科審美学会など)、民間団体(各メーカーや業界団体)が独自の認定制度を運営している。

それぞれ独立した制度なので、認定範囲、取得難易度、業界での認知度、医院での手当が違う。求人票で「認定歯科衛生士優遇」と書いてあっても、どの認定を指しているかは医院ごとに異なる。複数の認定制度の違いを理解したうえで、自分のキャリアに合うものを選ぶのが大事だ。

日本歯科衛生士会の認定制度

日本歯科衛生士会は最大の歯科衛生士団体で、複数の認定制度を運営している。代表的なのは「認定歯科衛生士第1号(生活習慣病予防)」「認定歯科衛生士第2号(在宅・施設口腔健康管理)」「認定歯科衛生士第3号(障害者歯科)」など、複数分野で認定が設けられている。

このほか「専門認定歯科衛生士」として、生活習慣病予防、口腔保健管理、在宅・施設口腔健康管理、障害者歯科口腔健康管理、老年歯科などの専門分野での上位認定もある。

日本歯科衛生士会の認定は業界での認知度が高く、転職市場での評価も安定している。会員でなければ取得できない点には注意が必要だ。年会費は約12,000円。

取得には、所定の講習会(20〜30時間)、症例レポート、試験合格が必要。費用は受講料含めて10〜20万円、期間は半年〜1年。5年ごとの更新が必要で、更新には研修受講と症例提出が求められる。

日本歯周病学会の認定衛生士

日本歯周病学会の認定歯科衛生士は、歯周治療の専門性を証明する代表的な資格だ。1996年から運用されている歴史ある制度で、業界での認知度・評価ともに高い。

取得要件は厳しい。日本歯周病学会員であること(年会費10,000円)、歯科衛生士免許取得後3年以上、認定研修施設での歯周治療経験(または日本歯周病学会指導医の指導のもとでの経験)、症例(20症例以上、書式あり)の提出、認定試験の合格、が必須。最短でも取得まで2〜3年かかる。

費用はトータル20〜35万円(学会年会費+研修費+試験料+認定料+症例集めの機材費)。5年ごとの更新あり。

取得後は、歯周治療を中心とする医院で重宝される。資格手当として月10,000〜20,000円が支給される医院も多く、長期で見れば取得コストは十分回収できる。

日本口腔インプラント学会の専門衛生士

日本口腔インプラント学会の専門歯科衛生士は、インプラントメインテナンスの専門家として認知される資格。インプラント治療を多く扱う医院で重宝される。

取得要件は、日本口腔インプラント学会員であること(年会費10,000円)、歯科衛生士免許取得後3年以上、インプラント関連の臨床経験、症例提出、試験合格など。費用は15〜25万円、期間は1〜2年。

このほか、インプラントメインテナンスを担当する基礎資格として「認定インプラントコーディネーター(歯科衛生士向け)」もある。こちらは比較的取得しやすく、最初の1つとして人気だ。

日本歯科審美学会のホワイトニングコーディネーター

日本歯科審美学会のホワイトニングコーディネーターは、ホワイトニング専門のカウンセリング・施術ができる証明だ。受講ハードルが比較的低く、ホワイトニング実務に直結するため取得者が多い。

取得要件は、日本歯科審美学会員であること(年会費10,000円)、歯科衛生士免許取得後1年以上、所定の研修(2日間)、症例レポート提出、試験合格。費用は15〜20万円、期間は半年〜1年。5年ごとの更新あり。

ホワイトニングを扱う医院では、月5,000〜15,000円の資格手当がつくことが多い。審美歯科や自費中心の医院への転職時にもアピール材料になる。

日本老年歯科医学会の認定衛生士

日本老年歯科医学会の認定衛生士は、高齢者歯科・摂食嚥下・在宅医療の専門資格。訪問歯科や病院歯科で活躍する衛生士向けの認定だ。

取得要件は、日本老年歯科医学会員であること(年会費10,000円)、歯科衛生士免許取得後5年以上、高齢者歯科の臨床経験、症例提出、試験合格。費用は15〜25万円、期間は1〜2年。

訪問歯科クリニックや病院歯科では、認定衛生士として重宝される。高齢化社会の進行に伴い、今後さらに需要が高まる領域の資格と言える。

その他の学会認定資格

このほか、複数の学会が独自の認定制度を持っている。

日本顎咬合学会の認定歯科衛生士: 咬合・補綴の専門性を証明。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会の認定士: 摂食嚥下リハビリの専門資格。多職種(医師、看護師、ST、栄養士など)も対象。

日本がん口腔支持療法学会の認定衛生士: がん患者の口腔ケアの専門資格。病院歯科向け。

日本ヘルスケア歯科学会の認定衛生士: 予防歯科の総合的な専門性。

日本静脈経腸栄養学会のNST専門療法士: 栄養サポートチームの一員として活動。

日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生士: 歯周治療の専門性、日本歯周病学会と並ぶ二大認定。

それぞれの学会に所属して、長期にわたる活動経験があることが取得条件になることが多い。

民間団体の認定制度

民間団体やメーカーが独自に運営する認定制度もある。各歯磨き粉・電動歯ブラシメーカーの製品アドバイザー、特定治療法(MIペースト、PMTC、エアフロー、カリソルブなど)の認定、特定システム(各種ホワイトニングシステム)のオペレーター認定、業界スクールの修了証など、種類は数十に及ぶ。

民間認定は業界全体での評価は学会認定より弱いが、特定領域での実務スキルを証明する目的では有効だ。受講料が比較的安く(2〜10万円)、短期(1〜3日)で取得できるものも多いので、最初の認定経験として取る人もいる。

代表例として、ライオンの「DH学院」、サンスターの教育プログラム、メーカー各社のセミナー認定などがある。

取得手順の典型例

認定衛生士の取得手順は団体によって違うが、典型例は次の通りだ。

(1) 該当団体の会員になる(年会費5,000〜15,000円)、(2) 所定の講習会・研修に参加する(複数日にわたることが多い、受講料5〜20万円)、(3) 規定の症例数を経験し記録する(10〜30症例、写真・データ・経過記録)、(4) 症例レポートまたは申請書類を提出する(規定書式あり)、(5) 試験(筆記・面接・実技)を受ける(受験料3〜10万円)、(6) 合格後に認定証が交付される(認定料2〜5万円)。

学会認定の場合は、学会発表や論文掲載が条件になることもある。在籍年数、症例数、発表実績など複数条件をクリアする必要があるため、計画的に準備する必要がある。

医院長や所属施設の協力が必要なケースも多い。症例集めには医院の協力が不可欠で、事前に「認定取得を目指している」と伝えておくとスムーズだ。

費用と期間の目安

費用は団体・認定の種類によって幅がある。学会認定でトータル10〜30万円、民間認定で2〜10万円が中心帯だ。内訳は、講習会受講料、年会費、試験料、認定料、症例集めにかかる時間と機材費などが含まれる。

期間も幅が広い。短いものでは半年、長いものでは3〜5年かかる。日本歯周病学会の認定衛生士などは要件が厳しく、現場経験5年以上と症例30例以上、複数回の講習受講が必要で、最短でも2〜3年は見ておく必要がある。

医院によっては、認定取得費用を医院負担とする「資格取得支援制度」を持っている。求人票や面接時に確認すると、自己負担を減らせる可能性がある。

取得後の業界評価

認定取得は「自分は専門領域で学び続けている衛生士です」という証明になる。業界評価としては、医院長や教育担当からの信頼が増す、転職時の書類選考で有利になる、患者からの安心感が増す、講師業や執筆業の機会が来る、といった効果がある。

ただし「認定があれば自動的に優遇される」わけではない。認定をどう活かすかは本人次第で、現場での実績と組み合わせて初めて評価につながる。

「認定資格を取った」と医院長やSNSで発信することで、業界内での認知度を高めるきっかけにもなる。学会発表や寄稿の依頼が増えるなど、次のキャリアへのレバレッジになる。

年収・手当への跳ね返り

認定取得が直接給与に反映される医院もあれば、しない医院もある。手当が出る場合の相場は、月5,000〜2万円程度。複数の認定を持っている人には、月3〜5万円の上乗せがある医院もある。

また、認定取得を機に転職すると、新しい医院での初任給設定が高くなることがある。年収換算で20〜50万円のアップにつながることもある。

直接的な手当より「昇進・昇給の判断材料になる」「転職時の交渉材料になる」という間接効果のほうが大きい場合もある。長期キャリアで見ると、複数認定を持つ衛生士のほうがそうでない衛生士より生涯年収が500〜1,000万円多くなる試算もある。

最初に取るならどれか

最初の1つを選ぶ基準は、自分が長くいる医院の方向性、自分が興味のある領域、業界での認知度の3つを掛け合わせて考えるとよい。

具体例として、一般歯科で歯周治療をメインにしているなら日本歯周病学会の認定歯科衛生士、審美歯科で働いているならホワイトニングコーディネーター、訪問歯科や施設訪問が多いなら日本老年歯科医学会または摂食嚥下リハビリテーション学会の認定、インプラント中心の医院なら日本口腔インプラント学会の専門衛生士、といった組み合わせが自然だ。

「取れるから取る」ではなく「これがあると業務に活きる」と思えるものを選ぶと、学習も継続しやすい。難易度も考慮して、最初は取得しやすいホワイトニングコーディネーターから始める人も多い。

複数取得の戦略

ベテラン衛生士になると、複数の認定を持つ人も多い。組み合わせ例として、歯周病+インプラントのメインテナンス専門、ホワイトニング+審美のカウンセリング専門、老年歯科+摂食嚥下の在宅特化、認定歯科衛生士+ケアマネジャーの多職種連携型など、自分の専門性をブランドとして打ち出せるようになる。

複数認定は更新の手間と費用が増えるため、自分のキャリア戦略と照らして取捨選択するのが現実的だ。「全部取ろうとして全部中途半端」になるのは避けたい。3〜5年に1つのペースで戦略的に取得していくのが現実的なペースだ。

更新と維持の負担

ほとんどの認定は5年ごとの更新制で、更新には研修受講、症例提出、年会費納入などが求められる。更新を怠ると認定が失効するため、長期的に維持していくランニングコスト(時間と費用)を見込んでおく必要がある。

更新条件が厳しすぎる認定は、現場の業務量が増えてくると維持が難しくなる。取得時に「これを5年後も続けられるか」を一度シミュレーションしておくとよい。育休や退職で一時的に活動を中断する場合の取り扱いも確認しておきたい。

まとめ

認定歯科衛生士は単一の資格ではなく、複数の団体が独自に運営する複数の制度の総称だ。日本歯科衛生士会、各学会、民間団体それぞれに特色があり、業界での評価や費用、期間、年収への影響が違う。

最初の1つは「自分の医院の方向性」「興味のある領域」「業界での認知度」の3軸で選ぶのが現実的だ。取得すること自体がゴールではなく、認定を活かして現場と業界での価値を高めていく長期的な視点が大切と言える。

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